皆さんは篠原健太先生の『彼方のアストラ』という作品はご存知でしょうか?
「マンガ大賞 2019」で大賞を受賞したり、アニメの最終回を迎えてTwitterでトレンド入りしたりと、話題になっていましたね。また、第51回星雲賞メディア部門受賞とのこと。おめでとうございます!
ということで、大好きなこの『彼方のアストラ』という作品について、語りたいと思います。

- 作者:篠原 健太
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/07/04
- メディア: コミック
あなたの『彼方のアストラ』はいつから?
私が『彼方のアストラ』のタイトルを知ったのは、「マンガ大賞2019」を受賞したというニュースが最初でした。遅いですね。
マンガ大賞を獲るほど面白いと評価の高い作品が、ジャンプ本誌ではなく「ジャンプ+」連載作品だったことに衝撃を受けたことを、今でも覚えています。
作品の内容や受賞した時の篠原健太先生のスピーチなどの記事を読み、こんなにも面白そうな作品なら是非全巻読みたいと思い立ちましたが、自宅は今、入りきらなくなった本が溢れて本棚の前に積み重ねられている状態。気に入ったマンガは息子とシェアして読みたいし、ページをめくる感覚が好きだし、でも安易にまた買ってしまうと本棚からさらに溢れてしまうし。電子と紙とどちらを購入しようかと迷っているうちに、アニメ放送の情報が耳に飛び込んできました。
これは見るしかないじゃないか!と息子と一緒に視聴することを決めてアニメ第1話を録画、一気にその作品に夢中になりました。そして最終話を迎える日にはリアルタイムで視聴し、結末を迎えた後しばらくの間、息子と2人で「『彼方のアストラ』は良かった!」と言い合い、奪い合うようにして原作を読んでいました。
『彼方のアストラ』ってどんな作品?
この作品は篠原健太先生により「ジャンプ+」でWEB連載されていました。原作は単行本で全5巻。巻数が少ないなと思う方もいるかもしれませんが、この全5巻という長さに、ギュッと凝縮されたとてもとても濃い物語が詰まっている作品なんです。
惑星キャンプに参加したB5班のメンバー9人は、目的地の星に着いてすぐに、謎の球体によって5012光年も離れた宇宙に放り出されてしまう。奇跡的に宇宙船「アストラ号」を手に入れ、帰り着くことのできる唯一のルートを割り出した彼らは、力を合わせて故郷の星を目指す!
という物語なのですが、これが全く一筋縄ではいかないんですよ。何故なら、彼らの乗る宇宙船の通信機をメンバーの誰かが壊すという事件が発生するんです。
B5班メンバーはどんな人物?
アストラ号にいるメンバーは9人。まず彼らを紹介していきましょう。
【カナタ・ホシジマ】(声:細谷佳正さん)
優れた運動能力とリーダーシップを備えている。常に前向きな熱血漢。
【アリエス・スプリング】(声:水瀬いのりさん)
視覚記憶能力に優れ、オッドアイを持つ。ムードメーカー的な存在。
【ザック・ウォーカー】(声:武内駿輔さん)
常に冷静なIQ200の天才。故に少し鈍感なところもある。宇宙船の操縦免許を持つ。
【キトリー・ラファエリ】(声:黒沢ともよさん)
ザックの幼馴染。医師を目指している。気が強く、わがままなところがある。
【シャルス・ラクロワ】(声:島﨑信長さん)
生物に関する知識が豊富で、料理が得意。誰もが認める美形で、喋ると顔が光ったりする。
【ウルガー・ツヴァイク】(声:内山昂輝さん)
無口で無愛想な皮肉屋。長い前髪で片目を隠し、ニットキャップを被っている。射撃が得意。
【ルカ・エスポジト】(声:松田利冴さん)
人懐こい性格で、男女問わず誰とでも打ち解けられる。手先が器用な芸術家肌。1人称は「オイラ」。
【ユンファ・ルゥ】(声:早見沙織さん)
眼鏡をかけ、無口でおとなしい性格。他のメンバーのように得意なことが無いと、極力目立たないように振る舞っている。
【フニシア・ラファエリ】(声:木野日菜さん)
キトリーの義妹。児童施設から引き取られた。パペットのビーゴを介して喋る事も多い。
通信機を壊されては、誰かに助けを求めることは不可能になります。自らも危機に陥る自殺的な行為です。でも、犯人はこのアストラ号に乗るB5班のメンバー以外に考えられません。
誰が? 一体何の目的で?
疑心暗鬼になるメンバーたちに、さらなる追い討ちが。フニシアが児童施設で聞いた言葉により、B5班メンバーが「一斉殺処分」されるために集められたということが判明するのです。
自分たちは殺されるために一同に集められ、宇宙で遭難させられた。一斉殺処分の計画は失敗したが、メンバーの中に自分の命さえ惜しまない「刺客」が存在し、次の機会を狙っている。
「刺客」が自ら名乗り出るわけはありません。ですが、「刺客」自身も同じ危機の中にいます。カナタたちB5班のメンバーは敢えて今は犯人探しをせず、生きて帰り着くことを最優先にして仲間を信じるることを決めます。
果たして彼らは、無事に故郷の星へと帰り着くことができるのか?
とハラハラの展開が待っているのですが、話が進んでいくにつれて謎は変容し、私たちは途中で気づいてしまうのです。
この作品の核はそこじゃない!
次回は、『彼方のアストラ』という作品をさらに掘り下げて語りたいと思います。