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『ファイアーエムブレム 風花雪月』について語りたい【3】スカウト・支援・第4の学級

私の推しゲーである「ファイアーエムブレム」シリーズ中の名作『ファイアーエムブレム 風花雪月』

今回は、主人公と生徒たちを繋ぐ重要なシステムである支援やスカウト、そして第4の学級について焦点を合わせ、まだまだ語り尽くせていないこのゲームの魅力をさらに語っていきたいと思います。

 

他学級の生徒をスカウト

『ファイアーエムブレム 風花雪月』をプレイするにあたって避けて通れないのが、敵同士としての元教え子たちとの再会です。士官学校の時には、自分の受け持っていない学級の生徒とも会話ができたりお茶したり一緒に食事もできますし、レア様からの課題に協力してもらうこともできます。そうやって仲良くなったというのに、敵同士になってしまうなんて悲しくなってしまいますよね。

国同士でぶつかり合う戦争。生徒たちは皆、自分の国の正義を信じて国のために命を懸けて戦場に出ているわけです。これが戦争というものだと理解はしても、やはり仲間として過ごしたことのある生徒たちを討たねばならないというのは胸の痛みを覚えるところ。

分かってはいたけど、そんなの耐えられない! となってしまう心優しい人のために、ちゃんとダメージを軽くできる「スカウト」という仕組みが用意してあります。他学級の生徒をスカウトして自分のプレイする学級の生徒にすることで、ゲーム後半の戦争編で敵として戦わずに済むのです。

ただし他学級の生徒をスカウトするには、主人公のステータスと技能が要求されるレベルに達していることが必要です。ただ、生徒ごとに要求されるステータスも技能も違っていて、馬術の技能と魔力を求める生徒もいれば槍術と魅力を求める生徒もいるんですよね。女主人公であれば自分から食い気味にスカウトを申し出る生徒もいたりはしますが、なかなかスカウトできないなという生徒も出てきます。

アッシュくんは意外と厳しい

私には魅力が足りないということですか……

スカウトの鍵となる主人公の技能レベルは戦うことで上げることができ、剣で戦えば剣の、槍で戦えば槍の技能が上がります。でも主人公が得意な武器や目指す兵種になるために必要な武器をどうしても使いがち。得意ではない武器の技能を求めてくる生徒もいるので満遍なく技能レベルを上げたいところですが、それが意外と難しいのです。

そこで、効率的に上げるために「教員研修」というシステムがあります。教師自身も研鑽を積まなければならないということをゲームの序盤で言われるんですが、それがこの教員研修にあたるわけです。同僚の教師や主人公の父のジェラルトをはじめ、レア様からも研修を受けられたりします。人によって研修を受けられる技能が違うので、主人公の技能が低いな〜と思う項目の研修を受けられる人を覚えておくと良いかも。ちなみにレア様からは剣術・信仰・理学、そしてなんと格闘技の研修が受けられちゃいます。

 

手を変え品を変えして仲良く

主人公が1日にできることは決まっているので、教員研修ばかりしていると生徒との交流ができなくなってしまいます。交流を疎かにしてしまうと、生徒たちに十分な指導ができなくなってしまうのです。

これは困ったぞ、となりますが大丈夫です。生徒と交流することによって上がる支援レベルがスカウトにも生きてきます。つまりその生徒と仲良くなっていると、よりスカウトしやすくなるのです。しかも支援レベルを上げておくとスカウト以外にもうれしいことが!

まず、戦闘時に連携攻撃の威力が増大。支援とは仲間との信頼度みたいなものなの。支援レベルが高い者同士であるほど攻撃は強力になっていきます。信頼できる仲間と共に戦うとパワーアップできるということですね。

そしてその支援関係独自の会話イベントが発生。交流を深め心を開いてくれて初めて聞けるような話もあるんですが、これがまた楽しい。支援は主人公と生徒との間だけでなく、生徒同士にも発生します。最初の頃はギクシャクしている生徒たちがだんだん打ち解けていく様子など、見ていてほっこりしてきます。

支援を上げるためにできることはたくさんあります。

  1. 会話をする
  2. 落とし物を届ける
  3. お茶会をする
  4. 一緒に食事をする
  5. 個別指導する
  6. グループ課題をする
  7. 戦闘時近くにいる
  8. 贈り物をする
  9. 一緒に料理を作る
  10. 合唱の練習をする
  11. 一緒に入浴する

これらの行動をとることによって、主人公や生徒たちの支援のレベルを上げることができます。入浴って? って焦ってしまいますが大丈夫。湯船に浸かるタイプではなく蒸し風呂なので混浴でも安心です。

この中で特に注目して欲しいのが「お茶会」です。貴族、紅茶好きですねえ。生徒や職員などを誘って2人でお茶とおしゃべりを楽しむわけなんですが、これが慣れないうちは、照れ臭いわむず痒いわニヤニヤしてしまうわでけっこう感情が大変なことになります。

初めてクロードをお茶に誘った時は、背景はキラキラするし、見つめるとか選択肢は出てくるし、クロードの頬がちょっと紅潮したりするし、「私、今何をさせられてるんだろう?」と大混乱しました。仕方ないです、私、クロードのこと好きなので。

クロードとのお茶会

乙女ゲームってこんな感じなんですか?

相手を変えつつ何回かお茶会をやっていると、生徒によって好きなお茶も話題も違うのがわかって楽しくなってきます。お茶会のキラキラ感に動じなくなった頃からは、あえて話が弾まなそうな相手を選んだりして遊んでいました。 

ちなみに支援の深まり具合でお茶会に用意されるお菓子の量が違っている様子。クッキーが何枚かだけって時もあります。先生、それちょっと容赦なくないですか……。

 

支援が深まっていると……

最後まで戦い抜きフォドラを統一した後に級長さんが君主となるのは決まっていますが、共に戦った生徒たちはどうなるのか気になりますよね。この『ファイアーエムブレム 風花雪月』はクリアすると、共に戦ってきた生徒たちが戦争の後どのように過ごしたのか後日談を知ることができます

戦争が終わって平和になった世界で、生徒たちの人生は続いています。皆それぞれの道を進んでいるわけなんですが、支援が深い者同士では「ペアエンド」と呼ばれる後日談となります。

結婚をして共に生きていく者、友人同士や仲間として深い交流を持ち続けていく者など、その結びつき方は多様。異性同性問わず、思わぬ組み合わせのペアエンドが発生したりして、クリア後のお楽しみの要素にもなっています。

しかも同じペアでも、選んだ学級によって後日談に差分が発生するんですよ。それを考えるだけでも大変だったろうなぁと思います。ホントに飽きさせない、すごいサービス精神ですよ。

このペアエンド、主人公だけはプレイヤーが自分の意思でどうするのかを決めることができます。「どうするのか」と書いたのは、ペアになる相手を誰にするかを選ぶことができるだけでなく、誰ともペアにならないという選択肢があるからなんです。ちゃんと主人公にも「ソロエンド」の後日談が用意してあります。あくまでも主人公が自分の意思で選んだものであって強制じゃないんですよ。主人公には主人公の人生があるんだなと感じ、ちょっと感激した部分です。

 

スカウトの負の側面

さて、技能も支援も条件をクリアしたら、お目当ての生徒をスカウトできるようになります。仲間がたくさん増えると、どの子を戦闘に出して強くしていこうか迷うという贅沢な経験が味わえます。同じ学級になったからこそ交流が増えるので、生徒同士の会話も増えてとっても楽しいんですが、ここでスカウトの「負の側面」について。

可能ならば全員スカウトしたいですよね。でも級長さんとその従者にあたる生徒はスカウトができません。エーデルガルトと従者のヒューベルト、ディミトリと従者のドゥドゥー、そしてクロードの5人はスカウトできないんです! 別の学級の生徒たち全員をスカウトして仲間にしたとしても、君主となってしまう級長さんは絶対に敵として現れるんです。物語が成り立たなくなってしまうので当然なんですが、それでもやっぱり悲しい…。

しかも生徒をスカウトしたことによって、同じ学級で仲良くしていた2人や幼馴染み同士が戦場で敵として対峙し斬り合うことが避けられなくなってしまう、なんてことも…。スカウトをしてもしなくても、もれなく地獄が待っているんですよ。

でね、やっぱり人は慣れるんですよね。

胸を痛めながら戦っていたはずなのに、「この子の最期の言葉はどんななんだろう」とか、「この2人が戦うことになったら特別会話が発生するかも」なんて物騒なことを平気で考えるようになっている自分に、いずれ皆さんも気付くことになるかと……。

「昨日の友は今日の仇」をまさに地でいっている状態なわけですが、理想や信念のためとはいえ、武力にモノを言わせて自分の思い描く世界を実現させようとなんてするからこんな悲しいことが起きてしまうんだと、憤りながらプレイするのもいいんじゃないかと思います。

ちなみに生徒だけではなく教職員さんたちもスカウトすることが可能です。仲間にしたいキャラには積極的に声をかけていきましょう。

 

第4の学級

今まで黒鷲・青獅子・金鹿の3学級のことだけ語ってきましたが、実はこの士官学校には第4の学級が存在しています。この士官学校のある修道院の地下に存在する、ちょっと訳ありで地上では暮らせない人々が住んでいる街アビス。その街に灰狼という名の学級があるのです。

 


『ファイアーエムブレム 風花雪月』 追加コンテンツ サイドストーリー「煤闇の章」

 

灰狼の級長はユーリスという非常に美しい少年。平民出身で貧しい生活をしていた彼は、生きていくためには手段を選ばずに何でもやってきたという苦労人。地上の3人の級長さんたちとはかなり毛色が違います。

この地下の街アビスの存在を知った主人公とエーデルガルト、ディミトリ、クロードたちは、アビスを守るためにユーリス率いる灰狼の生徒たちと力を合わせて戦うことになります。他に登場する生徒は、本当にいいタイミングでたまたま通りかかった(?)黒鷲のリンハルト、青獅子のアッシュ、金鹿のヒルダのみ。「煤闇の章」と言われるこのルートは、サイドストーリーの位置づけとなります。

級長たちに声を掛けるヒルダ

声をかけるからアビスに同行することになるんです

この章をプレイするためには、本編の他にエキスパンション・パスの購入が必要となります。『ファイアーエムブレム 風花雪月』の物語は本編のソフトで完結しているので、あくまでサイドストーリーである灰狼の学級のルートのためにわざわざ追加で購入するのどうしようかなぁという気持ち、分かります。実際に私も最初に金鹿ルートを始めた頃は、必要ないと思って購入していませんでした。

ですが、本編で級長さんたちがガチンコでぶつかり合う展開になってきたところで、我慢できなくなって結局エキスパンション・パスを購入しました。だって灰狼の学級ルートでは、級長さん3人が協力して敵に立ち向かっているんですから!

本編では敵対してしまってエーデルガルトとディミトリとクロードの3人が共に手を取り合うなんて絶対にあり得ない状況ですが、この灰狼ではそれが実現しているんです。

級長さん3人で連携攻撃だってできちゃうんです! 

それはもう、感涙に咽ぶ思いで画面を見つめてしまいましたよ。

ここアビスでは仲良く共闘している級長さんたち3人も、本編に戻ればやっぱり血を流して戦うことになるわけで……それを考えるとそれはそれでダメージ食らってしまうんですよね。この世界がずっと続けばいいのにとさえ思えてきてしまうほどでした。

物語の内容は、サイドストーリーとはいえ、本編では描かれていなかった主人公の過去に関わるもの。開発者の方がファミ通.comのインタビューで「煤闇の章はけっこう難しいと思う」とおっしゃっていました。

www.famitsu.com

 

確かにメンバーが固定されていたりと制限が多いですし、ターン数が決まっているなど、ただ敵を倒せばクリアとはならないマップが多くて本編とは違った難しさと面白さがあると思います。「煤闇の章」やって良かったな〜としみじみ思っています。

「煤闇の章」をクリアをすると、本編で主人公が話しかけることで灰狼の学級の生徒たち全員が無条件でスカウトできるようになります。当然出撃ユニットとして選ぶことが可能ですし、各学級の生徒たちとの会話も発生して支援会話もペアエンドもちゃんと用意してあります。しかも本編でもアビスに行き来することができるようになるんです。「煤闇の章」では出てこなかった本編の生徒たちと灰狼の学級の生徒たちが繋がりを持っている事実も発覚したりと、すんなり本編に馴染んで違和感は全くありません。

エキスパンション・パスの内容は他にも、外伝が増えたり兵種や衣装が増えたり入浴(!)できるようになったり、「ファイアーエムブレム」シリーズでは欠かすことのできないキャラクターであるアンナも仲間に加えられるようになったりするなど、さらに物語が広がって楽しくなる要素が一気に増えます。任天堂さん、かなり太っ腹です。

お得感たっぷりですので、「エキスパンション・パスって何ぞやと思っているなら買った方がいいぞ〜!」と声を大にして言いたいと思います。

 

ということで、4つの学級が出そろいましたが、これでもまだ全然『ファイアーエムブレム 風花雪月』について語り尽くせていないので、次回は兵種や配備できる騎士団などを中心に、引き続きこのゲームの魅力を語っていきたいと思います。

isanamaru.hatenablog.com