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『SK∞ エスケーエイト』について語りたい ①出会い

皆さんは『SK∞ エスケーエイト』という作品をご存知でしょうか。2021年1〜4月ににかけてテレビ朝日系列の深夜番組枠「ANiMAZiNG!!!」にて放送されていたオリジナルアニメ作品です。舞台化とアニメ新作プロジェクトが発表され、放送終了後もまだまだ盛り上がりを見せています。私は全話放送が終了してから追いかける形でこの作品を見始めたのですが、あまりの面白さに止められず、一気に最終話まで見てしまいました。

今回はこの『SK∞ エスケーエイト』の概要について語りたいと思います。

#01 PART 熱い夜に雪が降る

#01 PART 熱い夜に雪が降る

  • メディア: Prime Video

 

『SK∞ エスケーエイト』との出会い

『SK∞ エスケーエイト』は、沖縄を舞台とした「S」と呼ばれるスケートボードのレースに参加する8人のスケーターたちのバトルと友情を描いた物語。主人公である高校生の暦とランガの2人が、スケートボードを通じて友情を深め、さらには周囲の人々にも影響を与えていきます。レースバトルの疾走感と人間関係が少しずつ変化していく描写の対比が素晴らしく、12話を一気に駆け抜けるような印象の作品です。

原作のあるアニメであれば、原作が好きな方はもちろんですが、原作を知らない人でも作品がアニメ化される時点で面白いということは保証されているので、安心して見始められます。

しかし原作が無いオリジナル作品だと、オリジナルアニメって、当たり前ですが発表されるもの以外には情報が無いためどんな作品かは分からず、面白いかどうか判断の基準がありません。なので、あらすじ、キャラクターのデザインや声の出演をされる声優の方達などを見て選んだりしますよね。

そもそも私はテレビ朝日系の深夜アニメ枠がある事自体知らなかったので、『SK∞ エスケーエイト』について全く情報を得てなかったんです。でも放映が始まると、Twitterのタイムラインにこの作品を見たという方の感想とかが流れてくるわけですよ。絵柄が魅力的だなと思ったものの、スケートボードを題材にしていて、しかも妨害行為何でもありのレースをすると知り、スケートボードに知識も興味も無い自分がこの物語を面白いと思えるか分からず、感想を目にしながらも「やっぱりいいや」って視聴を見送っちゃっていたんです。

それでもこの作品に夢中になっている方が繰り返し「面白いぞ」ってツイートしているのを見かけてしまうと、気になってくるんですよね。これ、ザイオンス効果っていうらしいです。接触する回数が増えるほどに、好感度が高まりやすくなるってやつですよ。で、まんまとザイオンス効果にやられ、そんなに面白いのかなと作品のサイトを見にいって驚きました。アニメ『BANANA FISH』を手がけた内海紘子さんが監督(原作、キャラクター原案も)、脚本・シリーズ構成は『コードギアス 反逆のルルーシュ』の大河内一楼さん、アニメ制作は『僕のヒーローアカデミア』のボンズと、見聞きして知ってるお名前ばかりが並んでいたんです。

 

 
エスケーエイトPV第1弾

 

特に内海監督については、少女マンガの枠を軽く飛び超えてしまう名作『BANANA FISH』を、舞台設定を現代に変更したり英二の髪型を変えたりといったアップデートもしつつ、好きすぎてむしろアニメ化はして欲しくないくらいに思っていた原作ファンの抱くイメージを崩すこと無く映像作品にしてくださったということで、個人的に絶対的な信頼感を持っているんですよね。ほんと素晴らしかったので。

この布陣で『SK∞ エスケーエイト』が面白くないわけがないなと思い、すぐさま追っかけで視聴を開始。一気に全話視聴し終えて「どうして自分はあらすじだけでリアルタイムでの視聴を見送ってしまったのか」と激しく後悔しました。ホントにめちゃくちゃ面白かったんですよ。

小説やマンガは、この作家さんの作品なら面白いに違いないと、普通に作家買いしたりしますよね。小説家やマンガ家は、言わば作品の脚本・監督。アニメは当然絵柄やキャラクターを演じられる声優の方のキャスティングは大事です。でも好きな作家の本を買うように、面白いアニメ作品に出会うためにはそのアニメの監督や脚本がどなたなのか、もっとしっかりアンテナを立てて注目するべきだな〜としみじみ思わされました。

 

『SK∞ エスケーエイト』ってどんな作品?

秘密のレース「S」

スケートボードというと、スノーボードで言うハーフパイプ競技のようにさまざまなジャンプ技を決めるイメージが個人的にはありました。しかしこの作品でスケーターたちが競うのは、技の難易度ではありません。先にゴールした方が勝つ、スピード勝負のレースが繰り広げられていくんです。

とはいえこの「S」というレースは、関係者のみが入場可能の深夜の廃鉱山で秘密裏に行われるというレース。ただ山の荒れたコースを滑るだけで終わるわけがありません。スケートボードのテクニックを駆使して壁面を滑ったりジャンプで相手を追い抜いたりするのはもちろん、爆竹を投げつけるなどの妨害行為を行なったり対戦相手の腕を掴んだり、果ては殴打することさえもがお咎めなし。「S」は何でもありの非常に刺激的な激しいレースなのです。

このルールで行われる「ビーフ」と呼ばれる一対一の決闘で勝てば、それは皆から一目置かれるのも当然ですよね。

 


エスケーエイトPV第2弾

 

夜な夜な繰り広げられる「S」は知る人ぞ知るアンダーグラウンドなスポーツイベントの様相で、お目当てのスケーターの滑りを見ようとファンも集まり相当な盛り上がりを見せています。このレースに参加するスケーターたちは皆が個性豊か。コスチュームやボードのデザイン、滑りのスタイルもまるで違います。そして表の顔と「S」でだけ見せる裏の顔との間に大きなギャップがあるというのも、また魅力のひとつです。

sk8-project.com

 

登場人物紹介

この作品の主な登場人物であり「S」に参加するスケーターは以下の8人。

 

【喜屋武 暦(きゃん れき)】(声:畠中祐)

スケートボードに夢中な高校2年生の少年。自分のクラスに転校してきたばかりのランガがスケートボードにちょっと興味を示したとみるやすぐに打ち解けて乗り方を教え、彼を「S」に誘う。スケートボードに乗って滑るだけでは留まらず、自宅の庭のガレージに専用の作業スペースを設け、自分でデッキを改造するなどもしている。ランガの使用しているデッキは暦が製作したもので、彼の滑りを見て不具合を言い当て改良を施すなど、メカニック的な視点も持っている。とても明るく素直で生き生きとした表情でよく笑い、瞳がキラキラと非常にキレイ。3人の妹がいるお兄ちゃんということもあって、面倒見が良い。

 

【馳河 ランガ(はせがわ らんが)】(声:小林千晃)

カナダ人の父と日本人の母を持つ帰国子女のハーフ。父の死をきっかけに、2歳の頃から滑っていたスノーボードから離れてしまった。母の故郷である沖縄で暦とスケートボードに出会い、夢中になっていく。スケートボードは初心者だが、スノーボードで鍛えられた体幹と経験を生かし、短期間でメキメキと才能を発揮するように。色白でとても整った顔立ちをしているが、感情の起伏があまり表に出ないタイプで口数はあまり多くなく、普段はちょっとおっとりした感じ。

 

【シャドウ/比嘉 広海(ひが ひろみ)】(声:三宅健太)

「S」には派手に化粧をして参加し、妨害工作も厭わないヒール。とはいえそれは「S」でのみの姿。表の顔は人当たりの優しい花屋の店員さん。店長やお客さんからは「ひろみちゃん」と呼ばれている。いつの間にか暦、ランガ、実也たちの面倒を見るようなポジションになってしまっている良い人。

 

【MIYA/知念 実也(ちねん みや)】(声:永塚拓馬)

スケートボードの日本代表候補のエリート。難易度の高いトリックもこなす実力者で、まだ中学生ながら「S」にも参加する。猫耳パーカーにショートパンツのコスチュームがめちゃくちゃ可愛い。自分より実力が劣ると暦を見下し「スライム」と呼ぶなど最初は生意気だったが、「S」を通して暦やランガたちに心を開いていく。ゲーム機で時間を潰している様子などに、年相応の幼さも見える。

 

【Cherry blossom/桜屋敷 薫(さくらやしき かおる)】(声:緑川光)

「S」の実力者の1人。「S」には長髪を束ね袴姿という和風のコスチュームで参加。デッキに搭載したAI「カーラ」を駆使し、コースの分析などを行い滑る頭脳派のスケーター。デッキの形状を状況により変えるので、バランス崩さないか見てるとハラハラしてしまう(私が)。昼間の顔は著名なAI書道家で、普段は眼鏡に和服姿で過ごしている。ジョーは幼馴染みだが、顔を突き合わせるとすぐにいがみ合いが始まってしまう。仲良くケンカしなって感じ。

 

【JOE/南城 虎次郎(なんじょう こじろう)】(声:松本保典)

「S」の実力者の1人。逞しく鍛えた肉体を誇示するように、「S」でのコスチュームは露出高め。女好きで滑りのスタイルはとても豪快。自分の過去を重ねるように、暦とランガのことを何かと気にかけてくれる。昼間の顔はイタリアンのシェフ。幼馴染みのチェリーとは会うとすぐに喧嘩になるが、ちょっと楽しそうに見える。

 

【愛抱夢(アダム)/神道 愛之介(しんどう あいのすけ)】(声:子安武人)

「S」の創始者であり、伝説のスケーター。仮面で顔を隠し、スペインの闘牛のマタドールのような煌びやかなコスチュームを身に纏う。今までにビーフで対戦してきたスケーターを何人も病院送りにしてきた。ランガにとても入れ込んでおり、彼を自分の「イヴ」だと言って憚らない、なんだかとても怪しい人。昼間の顔は国会議員。子安さんの演技は期待を裏切りません。

 

【Snake/菊池 忠(きくち ただし)】(声:小野賢章)

神道家の使用人の子どもで、今は政治秘書として愛之介に仕えている。ヘリコプターを操縦したり、「S」を裏方として取り仕切ったり、かなり有能な人。しかもスケートボードの腕前も実はかなりのもの。愛之介には「犬」と呼ばれ、蔑まされている。

 

(ここには紹介しませんが、個人的にランガのママがとても好きですし、暦の妹たちもすごく可愛いです。)

 

この暦をはじめとする主要8人のスケーターたちが「S」に参加しバトルを繰り広げるわけなのですが、スケートボードを通して築かれた彼らの人間関係にもスポットが当てられていきます。

スケートボードについてほとんど知識も関心も無かった私ですが、疾走感とスリルに溢れる彼らのレースバトルに目を奪われ、この作品に夢中になれたのは、暦たちの心の揺れ動きや彼らの友情や信頼関係についてしっかり描かれているからこそなのだなと感じています。

 

『SK∞ エスケーエイト』は、父の死をきっかけに母の故郷である沖縄に来たランガが、暦のクラスに転校してくるところから始まります。まさしくランガと暦の出会いから始まるこの物語、次回は1〜3話について語りたいと思います。

 

前回は、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』について語っています。興味を持っていただいた方はこちらからどうぞ。
isanamaru.hatenablog.com