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『時光代理人 -LINK CLICK-』について語りたい①キャラ語り編

皆さんは『時光代理人 -LINK CLICK-』という作品をご存知でしょうか。李豪凌(リー・ハオリン)監督・脚本の2021年4月から配信された中国のオリジナルWebアニメで、bilibili動画では9.8点という高評価を獲得、総再生回数1.6億回を突破したという作品なんです。日本では2022年1月からTOKYO MXなどで日本語吹替版が放送されていました。

また、『時光代理人 -LINK CLICK-』の第2期の日本展開が決定し、それに先駆けてフジテレビの新しい深夜アニメ枠“B8station”で第1期の再放送が2023年10月より始まっています!

link-click.jp

 

写真を通して過去に干渉することができる特殊能力を持つ主人公たちを通して展開する物語にグイグイと引き込まれていき、見事にドボンと頭まで沼にハマってしまいました。最終話放映から時間が経っても熱が冷めるどころかますますのめり込んでしまっています。この『時光代理人 -LINK CLICK-』、中国では『あんさんぶるスターズ‼︎』とコラボ、日本でも『IdentityV 第五人格』とコラボということで、制作決定している2期に向けての布石をバンバン打っている感じですよね。2期の日本上陸が待ち遠しくて仕方ありません。

この作品を知らない方はもったいないぞ! ということで、まず今回はこの『時光代理人 -LINK CLICK-』のキャラクターについて語っていきたいと思います。

ヒカル(陸光)とトキ(程小時)

 

『時光代理人』との出会い

私はイラストを描くのも見るのも好きで、Pinterestで素敵なイラストを見つけてはホクホクするのが日課なのですが、ある時から急に切れ長の目をした白髪と黒髪の青年2人のイラストがたくさん表示されるようになったことに気づいたんです。日本の方が描かれる表情よりもクールな印象のそれらのイラストは、中国の方々が描かれたファンアート。それが『時光代理人 -LINK CLICK-』との最初の出会いでした。

ファンアートは目にするものの何という作品なのかタイトルが分からず、ずっと気になっていたところに中国の人気アニメが日本で放映されるというニュースが飛び込んできたんです。『羅小黒戦記』を見て中国のアニメは侮れないということを実感していた私はすかさずチェック! まさしく気になって仕方なかったその作品『時光代理人 -LINK CLICK-』と出会うことができたのです。

涼しげな目元をしたあの白髪と黒髪の青年ふたりの物語を見られるとわかった時のうれしさといったら! しかもメインキャストが豊永利行さんと櫻井孝宏さんのおふたりとなれば、もう期待するなという方が無理ですよね。ずっとソワソワしながら、日本での放映開始を待っていました。

 

キャラクターの関係性に釘づけ

個人的に、中国のアニメには歴史ファンタジーのイメージを抱いていたのですが、この『時光代理人 -LINK CLICK-』は現代の中国のリアルな世界を舞台にした作品。主な登場人物は以下の3人です。

 

程小時(チョン・シャオシー)

この作品の主人公。時光写真館の店主の黒髪の青年。日本語版ではトキと呼ばれています。明るくて表情がとても豊か。よく言えば天真爛漫、悪く言えば調子の良いところがあり、相棒のヒカルに甘えて幼馴染のリンに怒られたりすることも。でも憎めないんですよね〜。

実は幼い時に自分を置いて両親が失踪してしまったという重たい過去持ちだったりします。声は豊永利行さん。愛嬌と繊細さを持ち合わせるキャラクターを演じるのが、ホントにお上手な方ですよね。

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陸光(ルー・グアン)

時光写真館をトキと共に経営している白髪の青年。日本語版ではヒカルと呼ばれています。冷静沈着でお調子者のトキを雑にあしらうようなところがありつつ、本当はトキに対してとにかく優しいんですよ。責めないし、傷つくようなことから守ってあげようとするし。

なぜか彼だけ年齢が不明。公式がわざわざ「UNKNOWN」としているのって、意味深ですよね。声は櫻井孝宏さん

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喬苓(チャオ・リン)

時光写真館の大家さんの娘。リンと呼ばれています。トキとは幼馴染みで、両親がいなくなってしまったトキを弟のように思い、ずっと見守っていました。声は古賀葵さん

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時光写真館を営むトキとヒカル。実は2人は写真を通して過去に干渉することができるという特殊な能力の持ち主。トキの持つ能力は、その写真が撮られた過去の世界にダイブして撮影者の意識の中に入り込み行動することができるというもの。一方ヒカルは、写真が撮影された後の12時間以内に起こる出来事を読み取ることができる能力を持っており、過去の世界にダイブしたトキに行動の指示を出すことができます。この2人の能力について聞きつけた人々から持ち込まれる様々な過去に関する依頼を、彼らは引き受けていくんです。

ヒカルは写真から過去を読み取る能力を自分の意思で発動できるようですが、トキの能力を発動させるにはスイッチが必要。それは手と手を合わせること。トキが過去の世界に行く時には、ヒカルと手をパンッと合わせるんです。そのことによって、トキは現在にいるヒカルと意識を繋げたまま過去の世界に飛び込んでいくことができるのです。

写真撮影時の過去の撮影者の中に入ったトキは、撮影者自身として何を言い何をするべきかヒカルから指示を受けて動き、過去の改変が起こらぬように留意しつつ依頼をこなしていくことになります。

過去に行くことができるトキだけでは過去の世界でどう動けばいいのか分からないですし、ヒカルだけではただ撮影後に起きた出来事を把握するだけで過去に干渉することはできません。トキとヒカルがそれぞれ持つ能力を補完し合うことで初めて、過去に関する依頼を遂行することができるんです。

 

ヒカルとトキ

実は時光写真館の建物は古いけれど、内部はなかなかにオシャレ。店の奥の部屋のソファーでトキとヒカルが並んで座り、依頼について話す場面が多く出てきます。しかしそれだけでなくヒカルが見ているスマホの画面をトキが覗き込んだりして、「君ら仲良いよな」ってなる場面も度々出てきます。

それもそのはず、トキにとってヒカルは学生時代からの友人であり、写真館の共同経営者でもあり、特殊な能力を分け合う同士でもあり、同居人でもあるんです。

ルームシェアのような感じでトキとヒカルとそれぞれ自分の部屋を持っているというのを想像しますが、この2人なんと二段ベッドに寝てるんです! しかもですよ、トキが落っこちてしまうかもしれないからなんていう理由でヒカルが上の段に寝ているんですよ!(※bilibiliで配信中のスピンオフ『時効代理人 小劇場』《时光照相馆的日常》で判明) なんということでしょう! 

それだけではないんです。例えば本編第1話で、過去の世界にダイブしているトキが撮影者の孤独に自身にも通じるものを感じ、両親が出ていってしまった幼い頃の夢を見るシーンが出てきます。その時ヒカルは、そっと腕を伸ばして慰めるようにトキの肩に触れるんです。

実際にはトキは過去の撮影者の中に入っていてその場にはいないので、ヒカルが肩に触れることはできません。でもその時の画面が左右に二分され、現在にいるヒカルと過去にいるトキがまるで並んで眠っているように見える構図になるんです。この第1話のこの場面は、ヒカルはトキの感じる痛みに常に寄り添う存在なのだと強く印象付けるものとなっています。

私が人物紹介でヒカルがトキに「とにかく優しい」とわざわざ書きたくなった理由をこれで感じ取っていただけるんじゃないでしょうか。

そうなると、ヒカルがなぜトキと写真館を一緒に経営し同居するようになったのか、理由がとっても気になりますよね。

今はスマホで高画質な写真が気軽に撮れますし、古めかしい昔ながらの写真館ってそんなに儲かってないんじゃないかと思います。でもこの写真館は、トキにとっては居なくなってしまった両親と自分を繋ぐ唯一の場所。だからこそこの場所を、トキは1人で守ってきました。ある日トキがリンと店の改装をしていた時に、偶然通りかかったヒカル。それをきっかけに、彼はトキと共に暮らすようになっていくんですが、詳細は描かれないまま見ている人の想像にお任せとなっています。ですが、ヒントはちゃんと示されます。

なんと、物語の後半でリンがヒカルにトキのどこに惹かれたのかを聞き出す場面があるんですよね。ちょっとからかうようなリンの問いかけですが、ヒカルはちゃんとまじめに答えてくれます。この場面でリンの質問にヒカルがどう答えたのかを知ると、トキがひとりにならないように誰よりもそばに居ようと決めたのだなと、彼の決意を強く感じられるんです。ヒカルに「守りたい」と思わせた理由が、幼い頃から孤独だったという境遇からくるトキの「弱さ」ではなく、彼の人間性の中にある「美しさ」にあるということに、私はとても感激しました。

 

リンとトキ

リンはトキの経営する写真館の大家さんの娘。家賃の足しにできると、トキとヒカルへの依頼の仲介をしています。

幼なじみでもあり一歳とはいえ自分の方が年上ということで、彼女にとってトキは世話の焼ける弟のような存在。トキは両親が居なくなってしまいひとりぼっちになったことから荒れていた時期もあった様子で、自分以外に友達ができないことをリンはずっと心配していました。だからリンは、ヒカルがトキと一緒にいてくれることに感謝し、そして安堵もしているんです。そんなリンの存在は、きっと幼い頃からトキの支えになっていたのだろうと思います。

トキを見守るヒカル。トキとヒカルを見守るリン。トキを中心とする彼らの関係は、優しさに満ちているんです。

 

PVに釘付け

トキとヒカル、リンのステキな関係性を知ると、彼らの元に持ち込まれる依頼はどんなものなのか、トキとヒカルはどのように依頼をこなしていくのか、ますます気になってきますよね? ということで、この『時光代理人 -LINK CLICK-』のティザーPVはこちら。

 

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リンが仲介し、トキとヒカルの元に写真と共に持ち込まれる数々の依頼。過去を知ることは、その人の人生を知ることでもあります。依頼を受けて過去に潜り、見知らぬ他人の意識にリンクすることで、様々な人々の過去を追体験していくトキ。しかし友人が事件に巻き込まれたことで、トキがダイブする先の過去は自分達が関わっている過去となり、トキとヒカル、リンは、否応なく当事者として事件に巻き込まれていくんです。

どうですか? ストーリーも気になって仕方なくなりますよね? ということで、今回は「キャラ語り編」として主要キャラクターであるトキ、ヒカル、リンの3人について語ってきましたが、次回は彼らのストーリーについて思い入れたっぷりで語っていきたいと思います。

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