皆さんは『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』をプレイしたことがありますか?
「もうひとつの物語」と銘打たれた本作では、『ファイアーエムブレム 風花雪月』(以下『風花雪月』本編)で描かれていた、士官学校に集った生徒たちが国の未来をかけて三つ巴でぶつかり合うことになる戦いを描きながらも、新主人公シェズを置き『風花雪月』本編でも実現しなかった「if」の世界の全く異なる展開を見せていきます。
今回は、ゲームの大きな特徴である戦闘と作戦について感じることなどを中心に、このゲームについてさらに語っていきたいと思います。
戦い方はこんな感じで
「ファイアーエムブレム」のシリーズはシミュレーションRPG。戦闘は自分のターンの間、マス目状に区切られたMAPを睨みながら「このキャラをここに動かして、この敵を倒してこっちのキャラで回復させて」と手順をじっくり考えて戦います。こちらの攻撃に対して反撃されることはあっても、こちらのターンが終了するまでは、敵側からの攻撃は止まっています。
しかし『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』(以下『風花雪月 無双』)は無双です。アクションゲームなんですよね。迫りくる何人もの敵に突撃していき、必殺を繰り出して止めを刺すのがホント快感なんです。
ボタン操作
キャラクターが攻撃を繰り出し敵を倒していく戦闘でのボタン操作は次のようになっています。
- Yボタン 弱攻撃
- Xボタン 兵種アクション
- YからのXボタン 強攻撃
- Aボタン 無双ゲージ満タン時必殺技
- Bボタン 回避
- ZLボタン ガード
- R + Y or Xボタン 戦技・魔法
- R + Bボタン 傷薬使用
- R + Aボタン 覚醒ゲージ満タン時覚醒
- L + Yボタン 味方を副官に任命
- L + Aボタン 副官任命時前衛後衛交代
- L + Bボタン 馬や飛竜から降りる
なんか、たくさんあるな! って感じですが、左手は移動、右手のボタン操作で攻撃というのは他のゲームと変わらないですね。
アクションゲームが苦手な私は、最初のうちはとにかくYボタンとXボタンの連打でやり過ごしていました。まさに無我夢中でガチャガチャやってる感じ…。でも慣れるにつれて、もっとカッコよく攻撃を決めたいという気持ちが湧いてきますし他のボタンと組み合わせる余裕も出てきます。進めていくうちにキャラクターも成長して強くなりますがプレイヤーも成長するわけですよ。YボタンをメインにXボタンも混ぜて強攻撃を加えつつ、ここぞという時にAボタンで必殺技! みたいな感じで徐々に自分なりの攻撃のバリエーションを増やしていけました。
無双はとにかく攻撃のエフェクトが派手ですし、敵はブワーッと飛んでいきますし、攻撃するのがホント楽しいんですよ。爽快、スカッと、ストレス発散な感じ。ですが、それだと「風花雪月」のキャラクターをただ使っているだけで、「風花雪月」らしさが失われてしまっているんじゃないかって思っちゃいますよね。
でも、大丈夫。無双ゲームでありながらも、「風花雪月」らしさもしっかりと感じられるような仕様になっているんです。
MAPでいろいろやるんです
『風花雪月 無双』では、戦闘中は、通常の画面とMAPの2つを使っていきます。無双はアクションゲームなのにMAPって必要なの? ってなるかもしれませんが、絶対必要なんですよ、これが。MAPにはたくさん役割があるんです。
①出撃するキャラクターを決める。
今回戦うのはここですよと戦闘前に早速MAPが表示されます。MAPを見ながら、地形を把握、どこに何の武器を持った敵がいるかを確認して出撃するキャラクターを決めていきます。
育てたいキャラはどんどん出撃させていいのですが、留意したいのが武器の三すくみという武器の相性があること。剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強い。要はジャンケンのグーチョキパーですね。敵の持つ武器との相性が良い=よく敵を倒せるわけなので、利用しない手は無いです。
②仲間に指示を出す
出撃させるキャラクターを決めたら戦闘開始。MAP画面で「誰をどこに移動してどの敵を倒させるか」を決めて指示を出していきます。
『風花雪月』本編では、出撃させたキャラクターたちに「どこまで移動して何で攻撃するか」というのを自分のターンになった時に決めていきましたが、本作には「自分のターン」自体が無いので、指示は都度MAP画面に切り替えて出していきます。技を繰り出して敵を倒しつつ、MAPに切り替えて仲間たちに指示を出しつつ、また通常の画面に戻って戦うというのがひとつの流れになります。『風花雪月』本編では自分のターンでまとめて全員の面倒を見ますが、『風花雪月 無双』では必要な時に必要とするキャラクターに対して面倒を見てあげるわけですね。
それって忙しいなと思うかもしれませんが、アクションだけで完結するのではなくMAP画面に切り替えられることで、じっくりと戦況を把握できますし、出撃しているキャラクターたち一人ひとりに対してどこの敵を倒させようかと吟味することもできて、『風花雪月』本編と近い感覚が得られます。MAP画面に切り替えることでアクションゲームにの中にシミュレーションゲームの要素が感じられるおかげで、私は無双ゲームをプレイすることのハードルが下がったなと感じられました。
③現在地を把握する
戦っている画面って立体的な故に、自分がどこにいてどちらを向いているのかがわかりにくいんですよ。なので、仲間の元に駆けつけようとキャラクターを走らせていたのに遠くからこちらに向かって走ってくる味方のキャラと鉢合わせして自分が目的地とは逆走してたことが判明するとか、進んでも進んでも一向に誰とも出会わなくて「敵はどこだ?」 ってなったりというのが何度もありまして……。「自分、こんなとこにいるのか!」と確認するためにも、MAP画面は超重要なんです。
仲間たちの動かし方
出撃するキャラクターは主人公を含めた味方から選抜しますが、とはいえ出撃させる全員を操作できるわけではありません。ここで面白いなと思ったのが、出撃させたキャラクターたちの動かし方。
自分で直接操作ができるのは最大4人まで。最初は全員動かせないのか〜ってなりましたが、人数があまり多いと頭が混乱してしまいますし、うっかり動かし忘れてポツンとひとりだけ置き去りなんて発生してしまいそうですし、これがちょうどいい人数かなと。ですが、戦闘には4人以上出撃可能。どういうことかというと、出撃するキャラクターたちを自分で操作するメイン組と指示を出すのみのサポート組に分けるんです。
直接操作ができないサポート組の皆さんは、どこに移動してどの敵を攻撃するのかの指示をMAP画面で出しておけば、それに従って自主的に移動して敵とビシバシ戦ってくれるんですよ! 偉いな!
自主的に動いてくれるサポート組の援護を受けつつ、プレイヤーはキャラクターを操作して自分でも敵を倒して攻略を進めていくことになります。
なので例えば、メイン組のキャラクターたちでそれぞれ砦にいる敵を倒しにいき、サポート組の仲間たちにはそれ以外の敵を任せるとか、遠くの敵の所には馬に乗ったメイン組の仲間で向かって、その間にサポート組で目の前の敵殲滅に専念させておくとか、メイン組とサポート組とでバディを組んでそれぞれ散って戦うとか。いろいろ案が出てきますね。
自分が操作できるのはキャラクター1人だけなので、他のメイン組3人はプレイヤーのコントロールから外れた状態になります。しかしメイン組キャラたちもプレイヤーが操作されていないからといってサボることなんてしません。サポート組の仲間と同じく、ちゃんとコントロールから外れていても指示に従ってしっかり戦い続けてくれています。偉いな!
なので、シェズを操作して敵を倒したら他のメイン組の仲間に操作を切り替え、その間にシェズを別の敵がいる場所に移動してもらっておき、到着したら再度切り替えてシェズを操作する、みたいな感じで進めていけます。
敵をぶった斬っていると味方が砦を制圧したと報告が上がったり、自分が操作しているキャラの横を別のキャラが通り過ぎていったり、ちょっと離れたところで別のキャラが戦っているのが見えたりするんですよ。仲間たちと一緒に戦っているんだなぁという実感が湧いて、かなり感激しました。
ということで、プレイヤーが最低限気にするべきことは、自分が操作しているキャラクターの目の前にワラワラとゾンビみたいに襲いかかってくる敵たちをぶった斬って吹っ飛ばすことと、目的の敵を倒してしまった後のサブの皆さんがウロウロしないで済むように新たな指示を出してあげるのを忘れないようにすることの2つだけなんです。
ミッションと戦果
とはいえ、戦闘はスムーズにはいきません。いろいろ妨害されちゃうんですよ、敵に。
調子良く攻略を進めている途中で、士官学校でかつて一緒だった生徒が敵国の将として現れて動揺させられたり、敵があちこちで市民を襲っていることが分かって助けに行かなきゃってなったり、魔獣が現れて暴れ出したり、敵が救援要請の伝令兵を出したり、盗賊が宝を奪って逃げようとしたり。目の前の敵に集中できない事態がいきなり起こります。まさに、やることが多い!
例えるなら、何人ものちびっ子の相手をしているみたいな感じ。あっちでコケて泣き出す子もいれば、向こうで壁にいたずら書きしてる子がいたり、抱っこをせがむ子がいて、トイレに行きたがる子もいる、みたいな。戦いながら、慌ただしくMAPをあちこち駆け回ることになるんですよ。それがまた楽しいんですけどね。
メインのミッションを達成し勝利条件を満たしたらクリアとなるので、盗賊などのサブミッションであれば放置しても構わないのですが、戦闘の後に戦いっぷりでランクが付けられて、その良し悪しによってもらえるお金とか戦果品が変わってくるんですよ。やっぱり成績悪いよりはいい方がうれしいし、結局頑張っちゃうんですよね。
何度でも同じ場所に挑戦することができるので、レベル上げやランクS 獲得のために何度も繰り返し出撃していました。
作戦と説得
メインクエストの大きな戦闘の前には、通常の戦闘では出てこない「作戦」の選択画面が出てきます。この作戦、発動させるためには作戦資源が必要になってきます。エピソード開始時に所持しているものの他、サブクエストで手に入れられるものもあります。
作戦は複数の選択できるのですが、それぞれに消費する作戦資源のポイントが振り分けてあり、そのメインクエストで使えるポイント内に収まるように選択しなければなりません。
作戦は戦闘を有利にするものだけでなく、ストーリーに関わるものもあります。戦闘が始まってからの変更はできないので、戦闘開始前にじっくり考えておくといいと思います。
説得も作戦のうち
『風花雪月』本編では士官学校にいる間にいずれ敵国となる他学級の生徒をスカウトして自軍に引き入れておくことができます。このスカウトにあたるものが『風花雪月 無双』では作戦の中に「◯◯を説得」という項目で出てきます。
説得と言っても説得するキャラクターと戦って撃破するんですよ。力づくじゃん‼︎ って感じですね。
帝国ルート、王国ルート、同盟ルートで説得できるキャラクターはそれぞれ違っており、どのルートでも説得で軍に加わってくれるキャラクターもいれば、特定のルートでのみ説得できるキャラクターもいますし、どのルートでも説得の項目自体が出てこなくてどう頑張っても味方にできず戦うしかないキャラクターもいます。
『風花雪月』本編のスカウトと違う部分は他にもあります。戦場で説得して自軍に加わらせるので、味方となってくれるキャラクター全員が喜んで来てくれたわけではないということなんです。説得に応じたキャラクターは味方になったので前哨基地での会話が可能になりますが、全然屈託のないキャラクターもいる一方で、渋々なんだな〜、納得してないんだな〜って感じられるキャラクターもいるんですよ。向こうからすればこちらは敵国ですからね、みんなホイホイ来てくれるわけじゃないのってリアルだな〜と思います。
ということで、『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』についてまだ語り尽くせていないので、次回からは各ルートについて語っていきたいと思います。