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『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』を最後まで見届けたので語りたい②キャラ・メカデザイン

全12話を駆け抜け、無事に最終回を迎えた『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』(以下『ジークアクス』)。劇場版を観た時から、小さくて元気で可愛い女子高生マチュ(=アマテ・ユズリハ)と、落ち着きのある美声でしっとりとした憂いさえ感じさせるジオン軍中佐シャリア(=シャリア・ブル)という、普通なら接点を持つことなど無さそうな2人がどのように交錯していくのか、すごく楽しみにしていました。

この2人が対になる存在として主軸に据えられたことで、『機動戦士ガンダム』(以下、『ファースト』)のパラレルでありながら、ガンダムに詳しい方も未視聴の方も一緒に楽しめるようになっていただけでなく、物語がグッと深みを持ったなと感じました。

『ジークアクス』については、語りたいことがたくさんありすぎて正直困るほど。なので今回は「ありがとう、そして、おめでとう 『ジークアクス』!」第2弾ということで、『ジークアクス』のキャラクターやモビルスーツ・モビルアーマーのデザインに的を絞って感じたことを吐き出していきたいと思います。

 

ネタバレがありますので、未視聴の方はご注意してお読みください。

 

『ジークアクス』のデザイン

『ジークアクス』は、真っさらな所から世界を作るというのではなく、旧作を下敷きしつつ新たに物語を広げていった作品です。そのため新旧を繋ぐようなデザインの工夫がされているなと感じます。

キャラクターのデザイン

2つの絵柄の共存

『ジークアクス』で特徴的なのは、『ファースト』に寄せたリアルな絵柄と、ポケモンで知られる竹先生がデザインされたポップで可愛らしい絵柄と、2つの絵柄がひとつの作品の中で共存しているということさと思います。テイストがかなり違っているので、マチュたちが出てくるパートになり絵柄が切り替わった時には、これが『ジークアクス』の絵柄だとわかっていても多少の戸惑いを感じました。

でもよく知る『ファースト』の絵柄だったからこそ、シャアがガンダムを強奪する展開になっていくことに大きな衝撃を受けるんですよね。いわゆる「正史」ではなく、ジオン軍が勝ったパラレルな世界に入り込んでしまった感覚に浸れるわけです。それに『ファースト』を知っている人たちには、知っているジオン軍のキャラクターたちが、どのようにデザインし直されて登場するかというお楽しみもありましたし。そして『ファースト』を未視聴の方にとっては、この絵柄の違いによって過去と現在とが分かりやすく示され、ここまでが「正史」のパラレルな部分でここからがオリジナルの部分だなと、理解しやすくなっていたんじゃないかと思います。

鮮やかな瞳

この『ジークアクス』のキャラクターデザインで印象的なのは、マチュ、ニャアン、シュウジのカラフルさです。『ジークアクス』のイメージカラーはパキッとしたネオンカラーの明るいグリーン。まさしくマチュの瞳がその色なんですよ。

マチュはネオングリーンに差し色は赤、ニャアンは濃い黄色に差し色は緑と紫、そしてシュウジは真紅に差し色は水色という彼らの瞳のカラーリングには衝撃を受けてしまいました。特に主人公であるマチュの瞳はハイライトが大きめに入っていて、彼女の持つエネルギーの強さが端的に表されています。決めたら迷い無く自分の意思で突っ走っていくマチュですが、この強い光の瞳の持ち主ならそうなるよなと納得させられてしまいます。

そんなカラフルなマチュたちとは対照的に、シャリアをはじめとする大人組はおとなしめで現実的なカラーリング。とはいえ、ジオン軍でも若い世代のエグザベ・オリベ少尉やコモリ・ハーコート少尉は瞳が大きくハイライトもくっきり入って、2人が年齢的にマチュたちにより近い存在だという印象が残ります。

逆に瞳に全くハイライトがが入らないのがシュウジとシャリア。2人とも掴みどころがない雰囲気の人物ですが、それは彼らが自らの人生とは別のところに使命を感じているから。彼らは誰とも共有することができない大きな使命を抱え、孤独に戦っていたんです。そんな彼らの瞳に光が灯った入った瞬間、今までとは違う人間らしい表情に変わったんですよね。光を感じない目を「死んでる」って表現しますが、瞳の光って本当に「生きてる」って証なんだなあと改めて思います。

 

モビルスーツ・モビルアーマーのデザイン

ガンダムなのにガンダムぽくない

『ジークアクス』のbeginningパートを見ていて、シャアが乗り込む機体はガンダムだと認識しているのにこれはガンダムじゃないぞと思う感覚でフワフワししていました。よく知っている『ファースト』に寄せた絵柄なのに、アムロが乗っていたあの「ガンダム」(=型番RX-78-2)ではなく新たにデザインされた機体が当たり前のように登場し、『ファースト』のifの物語が展開されている、この不思議な状況が高揚感を生み出していたんですよね。

『ファースト』のガンダムのデザインってシンプルでいいんですけど、腰や腕、脚の太さのバランスがメカというより人間に近い感じがして、決して今時なデザインではありませんよね。『ジークアクス』の世界では、ザクなどのモビルスーツ(以下、MS)もデザインし直されてメカメカしくデフォルメもされ、思わずときめいてしまうほどプロポーションもカッコよくなっています。これはパラレルな世界の物語。同じものとして存在しているけれど姿が違うというのもありなわけで、「そうか、『ジークアクス』の世界のガンダムとしてデザインされるとこうなるんだな」とワクワクしたんです。

でもなんだか顔が怖いんですよね、『ジークアクス』のガンダム。その顔を見てるうちにスズメバチが想起されてくるし、赤いガンダムなんて危険色で塗られた機体にも思えてきて、なんか禍々しい機体だなと思って見てました。

エヴァみありましたよね

それにマチュの乗る主人公機「ジークアクス」の動きもなんか怖いですよね。手足が長めなプロポーションなのとメカメカしいのに関節が妙に柔らかい感じがするのとで、ちょっと動きが独特に見えるんですよ。そのせいで話が進むにつれて、なんだかよく知っている別のロボットの姿が頭をよぎり出します。公式のサイトにもしっかり「カラー×サンライズ」と大きく大きく載せられていますし、脚本に庵野秀明のお名前が入っていたりもするせいかなと、「そのイメージに引きずられちまうなんてガンダムに失礼だぞ」と自分に喝を入れたところで、登場したのがニャアンの乗る「ジフレド」。もうこれ、カラーリングからしてエヴァじゃん! ってなりましたよ。

あくまでもこの作品はガンダムなのに、制作にカラーが関わっているからエヴァっぽさを出してきたのか! と、内輪のノリを感じて嫌だと思った方もいたんじゃないでしょうか。でも私個人はガンダム好きな制作が楽しんでいるんだろうなと感じて、より気軽に作品を楽しめるようになりました。もしかすると、二次創作作品に触れたことがあるか無いかでも、楽しめるかどうかが変わってくるのかもしれませんね。

この、どこか二次創作を思わせるようなデザインだからこそ、この世界が「作り出された世界」であることの説得力を持ちますし、「向こうの世界」から『ファースト』のデザインのまま現れるガンダムの機体に異様さを付加させられているんです。

丸くて細いキケロガ

シャリア・ブルの乗機であるキケロガ。人型ではなく機体のサイズが大きいモビルアーマー(以下、MA)ってやつです。一年戦争の時にニュータイプ専用機として開発され、世代として古い機種ですがサイコミュシステムを搭載しています。

形からして素早く動き回るような機動性に劣ってそうだなと思ってたんですよね。ですが、シャリアはこの機体に搭載されている有線のメガ粒子砲塔を遠隔操作してオールレンジ攻撃を展開しており、一機でありながら連携攻撃を行うパートナーがいるかと思わせるほどのその戦いっぷりには、ジオン公国軍のパイロット養成機関「フラナガンスクール」を首席で卒業したエースパイロット候補であるエグザベも「1人でM.A.V.をやっているのか?」と驚愕しています。MSだから強くてMAだからやられ役だというイメージがありましたが、そうじゃないんだと、大事なのはその機体の能力を活かし切れるパイロットの能力だと認識を改めさせられました。シャリアが乗る機体だということが、私の中で確実にこの機体の付加価値を爆上げしてます。

ですが、なんなんですか、あの変形は!? めちゃくちゃ細い! 余った部分(?)がめちゃめちゃ多い! 手足折れちゃいそう! とんがり帽子!

MS変形は戦後に追加された機能らしく、後付けとはいえなんかもっといい感じにならなかったものかなーと思うんですが、このMSにしてはかよわげ(?)な姿が逆に愛嬌になってしまうまであって、不思議な機体だなと思います。

スピアが騎士っぽいギャン(ハクジ装備)

『ジークアクス』のMSの中で、個人的に一番カッコよかったなと思うのがギャンです。物語が始まってすぐに、マチュに「ジークアクス」を強奪された上に完璧に乗りこなされ、エグザベはパイロットとして本当に有能なのか? と心配したりもしましたが、ギャンでの登場した時のあまりのカッコよさに、それだけで彼の株が爆上がりしました。

ハクジと呼ばれる大きなスピアを装備しているだけでも、なかなか騎士っぽいんですが、エグザベ専用機は白い機体に金のラインのカラーリングで、まさしく白の騎士。エグザベの清廉さや誠実さをよく表していると思います。

白い色宇宙では目立つだろうと思うんですが、そのカラーリングの期待に乗っているということは、フラがナンスクール首席卒業は伊達ではないってことですね。実際、1人でM.A.V戦術を繰り出し二つ名まで持つシャリアとの戦いは互角の鍔迫り合いでした。

キシリアを庇い、シャリアの命を繋ぎ止めたエグザベ。彼の専用機である白いギャンは、まさに守るために戦う機体でした。

 

次回はシャリア・ブルに絞り込んで語りたいなと思います。