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ちっちゃい受けが可愛い「体格差BL」について語りたい

BLは男性同士の恋愛を描いた作品。同じくらいの背の高さで、振り向くとそこに恋人の顔があって、というのは同性同士だからこそのシチュエーションです。

でも、体は小さくても大きな愛で攻めを包み込む受けと、大きな身体で受けを壊さないように優しく愛する攻めという、「体格差」CPなBL作品も良いですよねー。ちゃんと男性なのに、パートナーにとっては華奢で可愛い存在というのが、グッとくるんですよ。

ということで、今回はちっちゃい受けが可愛い「体格差」BL作品について語りたいと思います。

性描写がある作品なので、未成年の方はごめんなさい。大人の方だけこの先をお読みくださいね。

ネタバレを含みますのでネタバレ苦手な方は注意してお読みください。

 

凸凹×コミュニケーション

まず語りたいのは、芽沢めい先生『凸凹×コミュニケーション』。この作品は、高校生の小森日馬(くさま)が、5つの条件をクリアして交際することになるまでが描かれる、とてもかわいいお話です。

 

小森は女子と変わらないくらいの小柄な身長がコンプレックス。高校入学初日に、五十音順で前の席になった背が高いイケメンの日馬から「黒板…見えなかったらスマン」と地雷を踏まれてカチンときてしまった小森。

しかし、たかがネクタイをしていないことだけで日馬が教師にネチネチと怒られている場面に遭遇た小森は、まだ会ったばかりな上に第一印象も悪かったというのに、思わず彼を庇ってしまいます。小森くん、良い子です。

そのことがきっかけで日馬と小森は仲良くなり、教室でも放課後でも一緒に過ごすように。その状態が当たり前になっていきます。

そして半年が過ぎた頃、日馬から「恋人になりたい」と言われた小森。何人もの女子に呼び出されては告白をされているほどモテる日馬がなぜ? どうして自分? と小森は大混乱。部活仲間のアドバイスもあり、その告白がからかわれているだけなのか本気のものなのかを確かめるため、日馬に5つの条件をクリアしてもらうことにします。まるで「かぐや姫」のようですね。

本家のかぐや姫はまったく結婚する気など無いため、どうにかして求婚者たちを諦めさせようと容赦無くこれでもかと無理難題を突きつけていましたよね。告白が冗談だったら笑って流せるようにと、小森もあり得ない条件を日馬に突きつけるつもりではいるんですが、小森の考える無理難題の内容が、「身長分けて」「食玩のシークレット出して」などといちいち可愛いんですよ。

小森は日馬のことを気が合う友達だと思っていて、彼からの告白についても「どうして自分なのか?」と動揺しているけれど、「付き合うなんて無理」と拒絶反応を示しているわけではありません。誰よりも仲のいい友だちから恋人に一気にランクアップするのってうれしいけど照れるし、それにちょっと怖いもの。だって友達から恋人になってしまったら、今まで通りじゃいられなくなるんですから。「変わる」ってやっぱり勇気がいりますよ。

だから小森には、「日馬に告白されたから」ではなく、日馬の告白をちゃんと受け止めて、自分の気持ちはどうなのか考えて、「自分も日馬のことが好きだ」となって先に進むための、準備期間が必要だったんです。そのため、日馬が小森と付き合うための5つの条件をクリアしていくのを追いかけるように、小森自身もハードルを乗り越えていくことになります。

一段一段、足を踏み出して階段を上っていき、小森が目線を日馬と同じ高さに揃えてキスをするシーン。小森を抱きしめる日馬は、目に涙を浮かべているんですよね。2人の関係性から見て、日馬がグイグイ押していっても小森と付き合えるようになったんじゃないかと思うんです。でも日馬はそうはしませんでした。小森の気持ちが自分と同じ所まで来てくれるのを、急かさずにずっと我慢をして待っていたんです。それってすごく焦れるし、不安にもなったろうと思うんですよ。

小森が自分の想いを自覚して、「あんたに日馬は渡せない」とキッパリ言い切れるほどになるまでの、照れたり悩んだり嫉妬したりといった気持ちの揺れ動きが一生懸命で可愛いのですが、その間ずっと日馬だってすごく頑張っていたよねって褒めてあげたくなりました。

小森と日馬の身長差は25cm。仮に小森が160cmだとしたら日馬は185cm。なかなかの身長差です。高校生なので、小森はもう少し背が伸びるんじゃないかなと思いますが、これからも変わることなく、歩幅を揃えて目線を合わせて2人は進んでいくんだろうと思います。

この作品、R18な描写は書き下ろしのみで本編はピュアな恋物語になっています。

 

 

嘘とイエローナイフ

次に語りたいのは、水曜日先生『嘘とイエローナイフ』。この作品はとっさについて嘘から付き合っているふりをすることになった2人が、本当の恋人になるまでを描いたお話です。

世界一周を目指し、小柄ながら土方でお金を貯めている水飼尚(みずかいなお)。仕事を終えて空腹だった彼は、「イエローナイフ」という多国籍バルを訪れます。すでに閉店時間だったというのに、尚を嫌な顔せず迎え入れてくれるオーナーシェフの浅黄旬(あさぎしゅん)。そんなところに現れた旬の幼なじみが「本当に彼女に未練がないのか?」とまくし立てたことから、ただそこに居合わせてしまっただけなのに、話の流れでなぜか旬と付き合っていることにされてしまった尚。半年間タダ飯を条件に、尚は旬の恋人のフリを続けることを引き受けます。

世界一周を夢見る尚と、世界各国を旅して現地で食べてきた料理を出すバルを営む旬と。何か引き寄せ合うものを感じますよね。

旬の作る美味しい料理と彼の朗らかさに絆され、尚の胸に芽生え始める恋心。恋なんてするつもりないし、ただの恋人のフリでしかないしと頑なな尚に対して、旬の店のソムリエとして働く高松さんが同じゲイであり年上の先輩として、言葉をかけてくれるのがいいんですよ。だいぶそっけない感じなんですが、突き放すのではなくちゃんと気にかけてくれている感じ。高松に程よい距離感で見守られつつ、自分の初めての気持ちに素直になっていく尚。

心が揺れ動いていたのは、旬も同じです。はじめは、恋人のフリなんて頼んでしまったこともあるし、年下で小柄だけれどガッツリ肉体労働で頑張って入り尚に美味い料理をたくさん食べさせてあげよう! って感じだったと思うんです。世界一周を夢見ている尚は、昔の自分のように感じて、応援してあげたくもなったんじゃないかと思います。

美味しそうに料理を食べてくれ、しかも自分の料理をもっと知ってもらいたいと店のインスタの投稿について従業員でもないのに一生懸命考えてくれる尚。自分が真剣に取り組んでいることを認めてもらえるのって、うれしいですよね。旬が尚に惹かれていくようになるのも納得です。

この作品は身長差がどのくらいとは明示してはいませんが、旬のコックコートを尚が着てみるとダブダブであることから、2人の体格差が大きいことが分かるんです。工事現場で力仕事をして働いているのに、尚は細身で小柄でもしかも童顔だということがより強く感じられると同時に、細身で男くささをあまり感じさせないのに、旬の体格は思いの外しっかり肩幅も体の厚みもあるという、それぞれのイメージと体格とのギャップがグッとくるんですよね。

2人が恋人のフリをすることになったのも、そして気持ちを打ち明けあって本当の恋人になるのも、旬の店で。これからも旬は尚のために美味しい料理を作り、尚は旬の愛情たっぷりの料理をお腹いっぱい食べて、2人の日々を重ねていくのだろうと思います。