観て聴いて読んで書く

マンガ、アニメ、ゲームなど好きだと思ったものについて無節操に書き綴ります

『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』について語りたい【6】同盟軍の人々

皆さんは『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』(以下『風花雪月 無双』)をプレイしたことはありますか? このゲームは「もうひとつの物語」と銘打ち、『ファイアーエムブレム 風花雪月』(以下『風花雪月』本編)と同様に大聖堂に併設された士官学校に一度は学友として集った生徒たちが、それぞれの信念のもと国の未来をかけて三つ巴で戦う無双ゲームです。

士官学校に入ることとなったシェズが、金鹿の学級を選ぶと進むこととなるのが、同盟ルートである黄燎の章。今回はシェズが共に戦うこととなるレスター諸侯同盟の人々について、個人的な思い入れを織り混ぜつつ語りたいと思います。

盟主クロード

クロードの思い

 

 

同盟軍の面々

金鹿の学級を選んだシェズが黄燎の章で共に戦うこととなるレスター諸侯同盟は、帝国や王国のような専制君主制ではなく、五大貴族による合議制。盟主であるリーガン家がリーダーシップを執り、多くの貴族を取りまとめています。固定キャラはシェズを除いて10人です。

 

金鹿の学級

シェズが士官学校で一緒に過ごす金鹿の学級の生徒たち。次期盟主のクロードが級長とはいえ、国の在り方からしても主従関係はあってないようなもの。平民の生徒も多く在籍していて、自由な雰囲気の学級です。

 

クロード=フォン=リーガン

金鹿の学級の級長。レスター諸侯同盟の盟主であるリーガン公の孫であり次期盟主。同盟のトップに立つことが確定していながら、自分を異物だと言うのは卑下とかじゃなくて、彼の出自の匂わせ。飄々としているクロードですが、その胸の内には孤独感も抱いているんですよ、人間だもの。腹心と呼べるような存在を持っていないため、彼は孤軍奮闘していて大変そうだなと気の毒になっていました。

『風花雪月』本編でうまく回避できていた彼の出自に関しての事態に本作では直面することとなり、彼はかなりツラい決断をせざるを得なくなってしまいます。これがかなりのターニングポイントになっていると思います。

クロードの2年後の姿、めちゃくちゃ良いですよね! 『風花雪月』本編での盟主の威厳を醸し出そうとしている5年後の装いよりもずっと軽やか。それにちゃんと本作では防具も身につけていて、本作では自らより前に出て戦っていくスタイルということですね。クロードは何を着ても素敵です。

 

ヒルダ=ヴァレンティン=ゴネリル

従者を持たないクロードの頼りになる右腕と言ってもよい存在。クロードとヒルダのバディ感、好きなんですよね。『風花雪月』本編でのコスチュームも可愛かったですが、本作もとても可愛いです。可愛いと強いを難なく両立させるヒルダ。ホント言うことなし。最高です。

ヒルダが明るく戦ってくれるので、操作してて気分がいいです。無双と相性が良いキャラクターなんじゃないかなと思います。

 

ローレンツ=ヘルマン=グロスタール

リーガン家と並ぶ大貴族の息子ということやクロードが胡散臭いこともあって、ひと言物申すポジションのローレンツ。でも本作ではそこまで対立はしてなかった感じ。

彼の攻撃の時にバラが舞うのに感激しませんでしたか? 私はしました。やっぱりローレンツにはバラですよ。「いかにも」から逃げなかったのはエラいです。それにしても鎧の上にもう一枚着てるのって何でなんですかね。横っちょ編み編みでびっくりしました。ローレンツの美意識にゴツい鎧は合わないってことなのでしょうか?

 

リシテア=フォン=コーデリア

魔法と言ったらリシテアですよ。必殺を敵にぶちかます前の、突き放したような表情が堪りません。パッツン前髪が可愛いクールビューティーですよね。戦闘ではとても頼りになりました。

訳あって長く生きられない体を抱えて戦っているリシテア。無双ゲームのため、彼女の悲壮感は薄まって感じます。彼女が望む穏やかな生活のためにも早く戦争を終わらせねばと、散々戦わせつつ思ってました。

シェズとの支援会話が可愛くて可愛くて、ニヤニヤします。

 

マリアンヌ=フォン=エドマンド

戦うのなんてきっと嫌なはずなのに、ちゃんと敵を倒してくれてました。攻撃の時の掛け声に必死さを感じます。馬のドルテを召喚させて敵を蹴散らしていくのがめちゃくちゃ楽しくてクセになってました。

個人的には、本作ではマリアンヌ本人よりも養父のエドマンド辺境伯の変な存在感の方が印象的でした。お金に物言わせてクロードに恩を売ろうとしてるのか、ただたかられてるだけなのか。是非ともお顔を、せめてお名前を知りたかったなぁ。

 

ラファエル=キルステン

筋肉は人を幸せにするんだなぁとラファエルを見ているとしみじみ思います。彼に拳で戦ってもらうことに、微塵も迷いは生まれませんでしたね。何もないところから大岩を作り出して敵をぶっ飛ばしてしまう錬金術のような攻撃がなかなか面白いです。

『風花雪月』本編とのイメージが一番変化が無かったキャラクターかもしれません。ラファエルの変わらぬ朗らかさは安心感があります。

 

イグナーツ=ヴィクター

本作ではグロスタール家の騎士になっているイグナーツ。士官学校に入ったのは騎士になるためなので、本来なら良かったねってことになるんでしょうが、それでも絵を描くことがどうしても諦めきれないということがダダ漏れ。ローレンツもすまなそうな顔になってしまいます。

絵の具を撒き散らしてのイグナーツらしい攻撃に、どうしてもスプラトゥーンを連想させられてしまってました。

 

レオニー=ピネッリ

年が近く、自身も傭兵ということもあって、シェズと馬が合っている印象のレオニー。傭兵になって稼ぐために村の人たちから借金をして士官学校に入ったにもかかわらず、本作では早く休止となってしまい学費も一部返されるだけという気の毒すぎる状況に。

絶対に会話があるはずだと、彼女のためにどうにかしてジェラルト傭兵団と灰色の悪魔を自陣の仲間に引き入れなければ! となりました。

 

ここまでが金鹿の学級の生徒たち。それぞれ大きく立場が違うこともあって、帝国や王国と比べると、仲は良いけどまとまりに欠ける印象です。

 

同盟軍の人たち&無双で初めまして

金鹿の学級の生徒以外で説得なしで同盟軍に加入してくれるキャラクターは2人。

しかも『風花雪月』本編で私が一番会いたかったヒルダのお兄さまホルストがプレイアブルで加わってくれたのがうれしくて仕方ありませんでした。やった!

 

シャミア=ネーヴラント

やっぱり同盟は弓でしょう! ってことですよね。クールにそして的確に敵を射抜く姿、カッコいいです。

シャミアも傭兵ということで、彼女からは忠誠心や仲間意識とはちょっと違う、課された仕事としてきっちりとやり遂げるというスタンスを感じます。シェズも大いに刺激を受けたことだろうと思います。

 

ホルスト=ジギスヴァルト=ゴネリル

満を持しての登場ですよ! 濁点が多くて名前からして強そうです。ヒルダのお兄さまということで私は細面の美青年って感じで想像していたんですが、実際のホルストの顔立ちや体格はかなりゴツめ。たしかにこれなら斧が似合うよな! と納得しかけていたら剣の使い手だと分かり、しかもスピードも速くて意表を突かれました。

武人としてもとても快活な性格で、ホルストと共に過ごすのは、非常に心地よいだろうと思います。そんなホルストが一歩下がってクロードをしっかりとサポートする姿勢を崩さないことにより安定し、次の一手を打つことができているんですよね。ホント、彼がいるのといないのとでは、全然レスターの雰囲気は変わっていただろうと思います。

紋章を持っていなくとも、そこいらの紋章持ちも敵わない程の強さを誇り、フォドラに名を馳せているホルスト。パルミラがちょっかい出してきてるのを彼が跳ね返しているからフォドラは平和なんですよ。登場人物の中でホルストが一番強いんじゃないですかね。

 

同盟軍の印象

帝国は魔法勢が多く、王国は騎士の国ということで槍使いが多いのですが、同盟は盟主のクロードをはじめとしてイグナーツやレオニー、シャミアがおり、弓使いが多い印象。本作ではスカウトが無いので、ちゃんとそれぞれの軍で特徴出てますね。

クロードは専用兵種であるドラゴンロードとバルバロッサを見ても分かる通り、ドラゴンに乗っている兵種が似合うし、その上めちゃくちゃ強いんですよね。でも私の操作の拙さもあって、なんとなく空を飛んでいる兵種って、自分が狙った通りの所に攻撃が決まっているのかが実感しにくい気がしてました。クロードは動く範囲が大きく縦移動もするし、動きが速いから画面から見切れてしまうし、しかも弓ですしね。なのにその戦闘で一番敵を倒してたりするのはさすがだなって感じです。

ホルストさんにはガンガン出撃してもらいました。あの骨太ながっしりした体格で、剣を操るなんてカッコいいですよね。紋章に頼らない強さ、最高です! しかも性格が良い!

盟主には皇帝や国王ほどには権力が集中していないため、クロードがリーダーシップを発揮してはいますがスムーズには事が進まず、キツそうだなぁという場面が多々あります。軍内部での物事の進み具合が帝国や王国とはかなり違う印象なので、対比が面白く感じられました

 

次回は赤焔の章のストーリーについて語っていきたいと思っています。

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『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』について語りたい【5】王国軍の人々

皆さんは『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』(以下『風花雪月 無双』)というゲームをプレイしたことはありますか? このゲームは無双ゲームであると同時に、『ファイアーエムブレム 風花雪月』(以下『風花雪月』本編)と同じく大聖堂に併設された士官学校で一度は学友として集った生徒たちが、それぞれの信念のもとに国の未来をかけて三つ巴でぶつかり合い「もう一つの物語」が展開されていくことになります。

士官学校に入ることとなったシェズが、青獅子の学級を選ぶと進むこととなるのが王国ルートである青燐の章。今回はシェズが共に戦うこととなるファーガス神聖王国の人々について、個人的な思い入れを織り混ぜつつ語りたいと思います。

ファーガス王ディミトリ

王となったディミトリの固い決意

 

 

王国軍の面々

青燐の章でシェズが共に戦うこととなる王国軍の人々。ファーガス神聖王国はフォドラの北方に位置している王に忠誠を誓う騎士の国です。固定キャラはシェズを除いて12人。

 

青獅子の学級

士官学校でシェズが一緒となる王国出身の青獅子の学級の生徒たち。王子であるディミトリを中心に、非常にまとまりのある学級です。

 

ディミトリ=アレクサンドル=ブレーダット

青獅子の学級の級長。ファーガス神聖王国の王子であり次期国王。『風花雪月』本編では伸びた髪に眼帯姿となりましたが、『風花雪月 無双』での2年後の姿は髪を結んでスッキリした印象。本作で闇堕ちする暇が無かったですからね。自分の持っているイメージよりも彼は甘い顔立ちではないんだよな〜と毎回顔のアップで思ってました。

戦いっぷりに狂気を感じる気がして、プレイするうち慣れはしましたが、でもちょっと怖かったですね。普段のディミトリが慎重で穏やかな印象なので、余計に二面性が際立ちます。理性で秘めた狂暴性を無理矢理抑え込んで辛そうな彼の様子に、これでこそディミトリだよな〜と妙に納得してました。

 

フェリクス=ユーゴ=フラルダリウス

自分はただ剣の腕さえ上げられれば他はどうでもいい、という個人主義の塊みたいな人でしたが、爵位を継承してからは、ディミトリのサポート役として、また彼の元首としての苦悩を理解する立場の人間として、かなり大きな役割を担うことに。フェリクスを見ていて、立場が人を変えていくんだと実感しました。

彼には剣一筋で、スパスパと敵を斬ってもらっていました。やっぱりフェリクスには剣以外考えられません。

 

シルヴァン=ジョゼ=ゴーティエ

女性嫌いの女たらしで、レア様から強制的に兄殺しを命じられ、主人公に対して羨望と憎悪を吐露するなど、『風花雪月』本編ではかなり強烈なフックを持っていたシルヴァン。その大人になりきれずもがいている感じが良かったんですが、本作では終始落ち着いていましたね。戦争が始まって士官学校も打ち切られ、拗らせてる場合じゃないということで、仕方なく早く大人になっちゃったんだなという感じがします。

それでも兄貴分として、ディミトリとフェリクスよりも一歩下がったところから常に支えてくれてました。

 

ドゥドゥー=モリナロ

常にディミトリを支える篤い忠義の人。フェリクスが爵位に就いてディミトリの実務での補佐役になりましたが、ドゥドゥーは精神的な面からのサポート役に。やはりディミトリと彼の間にある深い信頼関係は唯一無二ですよ。

軍に1人は格闘部員を置きたいので、彼には心優しき殴り屋になってもらっていました。

 

アッシュ=デュラン

アッシュは非常に素直で誠実。彼のこと嫌いな人なんているのでしょうか。彼の丸い後ろ頭を見て癒され、会話を聞いて癒され、遠乗りしてお茶して癒され、頑張って戦っている姿に癒され。アッシュがそこにいるだけで私の周りの空気が確実に浄化されていました。

ロナート卿の推挙でアッシュは王家の騎士となってディミトリに仕えています。夢が叶って良かったね。とはいえ立場的に厳しい選択と決断をして前に進まざるを得ないことが多い人でもあります。

 

メルセデス=フォン=マルトリッツ

その場の空気をとても優しくしてくれる存在のメルセデス。ということで、『風花雪月』本編では違和感は無かったのですが、無双という戦ってる姿が見られるアクションゲームとなると、敵がわんさか襲ってくる戦場でも彼女はおっとりと攻撃しまくり、なかなかシュールな感じだなと思ってました。

2年後の姿、めちゃくちゃ好みです。このくらいの髪の長さが似合うと思ってます。

 

アネット=ファンティーヌ=ドミニク

一生懸命さがとにかく可愛いアネット。最初こそ魔法勢としてせっせと育てていましたが、禍々しい見た目の打ち砕くものを「可愛い」と気に入って使う気満々な彼女を見て途中から兵種を変更しました。本作は兵種の変更が容易なので、こういう時に非常に助かります。

小さな体でピコピコハンマーのように打ち砕くものをぶん回して戦う姿がグッときます。

 

イングリット=ブランドル=ガラテア

ディミトリ、フェリクス、シルヴァンの幼馴染みの男子たちよりも騎士らしく、そして清廉なイングリット。自分の乗るペガサスを攻撃の後に労ってあげる仕草が優しくていいんですよ。ほっこりします。

死なせたくはないんですけど、彼女の死に際の断末魔の演技がすごいです。

 

ここまでが青獅子の学級の生徒たち。士官学校の期間が短いにも関わらず非常によくまとまっているのは、幼馴染みだったり元々友達だった生徒が多いためでしょう。

 

王国軍の人たち

青獅子の学級の生徒以外で説得なしで王国軍に加入する、または共闘するキャラクターは4人。

 

ロドリグ=アシル=フラルダリウス

元から分をわきまえディミトリに接する人でしたが、フェリクスに爵位を継がせたことで、より自由な立ち位置で後見役に徹する感じに。『風花雪月』本編とは違ってディミトリがしっかり指揮を執るので、世代交代がされたのだなと感慨深くなります。

 

セテス

王国がレアを受け入れセイロス教団側につくことを決めたため、セテスをはじめとするセイロス騎士団も王国と共闘することになります。このことによって王国の正当性が担保されるわけですね。

基本的にはお客様なので王国軍だけで戦いたいなと思いつつ、やっぱりいると使いたくなってフレンちゃんと一緒に出撃させていました。

 

フレン

セテスと共に王国軍と共闘してくれるフレンちゃん。メルセデスと同様におっとりほんわかな空気感。彼女が小柄なこともあり、戦わせながら「この子に戦場は似合わないよなぁ」とちょっと罪悪感を感じてました。

セテスとの会話では泣かせてくれます。

 

カトリーヌ

頼りになるお姉さんって感じで、カトリーヌがいてくれるとグッと安定感が増しますね。元々は王国の貴族の娘でゆかりもあるので、ビシバシ出撃してもらっていました。

アクションがかっこよくて、やっぱり剣で敵を切っていくというのは気持ちが良いなぁと思わせてくれます。

 

以上、王国軍・セイロス騎士団のメンバーの他にも戦場での説得などで加入するキャラクターがいるということで、3ルートの中で一番人数が多くなります。

 

無双で初めまして

青燐の章では『風花雪月』本編では名前しか出てこなかったシルヴァンの父親のゴーティエ辺境伯と、セイロス教団から討伐の対象とされていたシルヴァンの実兄マイクランが自軍の人間として登場します。

 

マイクラン=アンシュッツ=ゴーティエ

マイクランは初めましてではないんですが、どうしても書きたいので書きます。

紋章を持たないため、長子でありながら冷遇されていたマイクラン。盗賊に身を堕として家族への恨みをぶちまけるように盗み出した英雄の遺産「破裂の槍」を使って略奪行為を繰り返していたため、『風花雪月』本編では全ルートで教団から討伐の対象とされています。

しかし本作では士官学校が早くに休止したため討伐されず、ディミトリに実力を買われてなんと将として登用されるんですよ。この展開は予想外で、その手があったか! って感じでした。

『風花雪月』本編では、自分の意思とは全く無関係な「紋章を持って生まれた」というただそれだけで、母が違うとはいえ実の兄弟であるマイクランに恨まれ、果ては自らの手で兄を討伐することになり、シルヴァンは非常に苦しい思いをしていました。彼の存在自体がマイクランを追い詰め破滅させたと言っても過言ではないのですから。

なので、2人の関係は簡単に改善されるわけではなかっただろうと思いますが、王の騎士として兄弟共に戦うことができた本作の展開は、シルヴァンにとって救いとなるものだったなとうれしくなりました。

 

マティアス=ラウル=ゴーティエ

シルヴァンとマイクランのパパであるゴーティエ辺境伯。マイクランと顔立ちが似てますね。シルヴァンは母親似なんでしょう。ロドリグの会話から察するにゴーティエ辺境伯は武闘派というよりは、どちらかというと頭脳派なんじゃないかと。

私ちょっとゴーティエ辺境伯にはあまり良い印象がないんですよ。自領のみならずファーガスを守るという重責を担うため、ゴーティエの家が紋章を持つことを重視しているというのは、紋章の性質からしても一定の理解はできるんです。でも、いくら紋章を持たないとはいえ、盗賊に成り下がってしまう前に、なぜもっと父親としてマイクランをフォローをしてあげられなかったのかとダメ出しせずにはいられません。シルヴァンは紋章によって苦悩しますが、パパはそういうことは無かったのかもしれません。

マイクランは、ゴーティエ辺境伯にとって初めての子。親ですから情は抱いてないわけはないはず。しかも彼は、最初の妻の忘れ形見でもあります。後妻の子で紋章を持つシルヴァンを後継として大事にしなければならないことから、マイクランに対して必要以上につらく当たってしまったのだと思いたいです。

 

リュファス=ティエリ=ブレーダッド

ディミトリの父でありファーガスの先王であるランベールの兄であり、ディミトリにとっては唯一の肉親。ランベールがちょっと急進的な王だったようで、それに反発した人たちからの支持はあった様子。

この人は長子でありながら紋章を持っていないことで王位に就けませんでしたが、紋章自体に恐れのような感情を抱いていたようにも感じます。

 

王国軍の印象

青獅子の生徒だけでも十分強いのに、セイロス騎士団も加わって盤石な感じ。さらに加入できるキャラもいるし、プレイしながら、ちょっとずるいよなーと思ってました。

途中でアネットに打ち砕くものを使わせて戦わせたくなり兵種を変更したのもあり、魔法勢が少なめになりました。騎士の国なので、剣士と騎馬部隊の物理攻撃でってことなのでしょう。フェリクスにはストーリーでも戦闘でもかなり活躍してもらいました。

イングリットにはペガサスに乗ってもらい、縦横無尽に飛び回ってもらっていましたが、敵を薙ぎ倒しているという爽快感は地面を走り回る剣士や騎馬に比べて得にくい気がします。なんとなくフヨフヨと浮いているせいか、攻撃がちゃんと当たってるのかどうかが、イマイチよくわからなかったなというのが正直なところでした。

王国軍は元々キャラクター同士が親しい間柄であることから、帝国の「成し遂げるぞ」という目標に向かっての団結ともまた違った結束力を感じます。身内感が強いんですよね。大事な我らの王をお助けするぞ! みたいな感じ。何があっても忠誠を近い支えてくれる人たちが周りを固めてくれていたからこそ、ディミトリは厳しい状況を乗り越えていけたのだなと感じました。

 

次回は黄燎の章に出てくる同盟軍の人々について語りたいと思います。

『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』について語りたい【4】帝国軍の人々

皆さんは『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』というゲームをプレイしたことはありますか? このゲームは『ファイアーエムブレム 風花雪月』(以下『風花雪月』本編)の「もうひとつの物語」と銘打つ無双ゲーム。『風花雪月』本編と同様に『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』(以下『風花雪月 無双』)でも大聖堂に併設された士官学校に一度は学友として集った生徒たちが、それぞれの信念のもとに国の未来をかけて三つ巴でぶつかり合うことになります。

士官学校に入ることとなった主人公シェズが、黒鷲の学級を選ぶと進むこととなるのが帝国ルートである赤焔の章。今回はシェズが共に戦うこととなるアドラステア帝国の人々について、個人的な思い入れを織り混ぜつつ語りたいと思います。

エーデルガルト

この意志の強さがあってこそのエーデルガルトですよ

 

帝国軍の面々

赤焔の章でシェズが共に戦うこととなる帝国軍の人々。アドラステア帝国はフォドラの南方を占める大国。『風花雪月』本編と同様に本作でも、セイロス聖教会に対して挙兵します。固定キャラはシェズを除いて11人。

 

黒鷲の学級

士官学校でシェズが共に過ごすことになる黒鷲の学級の生徒たち。自由な雰囲気ですが、級長のエーデルガルトがしっかりまとめています。

 

エーデルガルト=フォン=フレスベルグ

黒鷲の学級の級長。アドラステア帝国の皇女であり次期皇帝。燃える信念の塊のような人。まさしく赤い焔って感じです。『風花雪花』本編では逡巡しつつも自分を奮い立たせている感じも見受けられましたが、『風花雪月 無双』では迷いなくひたすらに前を見据えて邁進している印象を受けました。

もしエーデルガルトが自分の会社の上司だったら優秀な人なんだろうなと常に思いながらプレイしてました。2年後の姿が可愛らしくて、彼女がこんな感じのコスチューム着るのか! とちょっと驚きもしましたが、戦いやすそうな軽やかな印象です。この細身で斧を軽々とぶん回す姿がとても良いです。

 

ヒューベルト=フォン=ベストラ

主人の望むことを望む形で実現させる従者の鑑。全くもって制服が似合わなすぎる大人な顔立ちですよね。ちょっと髪を伸ばしてワイルドさが加わった2年後のいで立ちが個人的にとても好み。これでも20歳くらいなのかと思うと、妙に感心してしまいます。

彼にはダークメイジ以外のイメージが湧かず、一択。闇の楔がカッコよすぎました。

 

フェルディナント=フォン=エーギル

何事も全力で手が抜けない実直な人。休むことにすら一生懸命でシェズに呆れられてしまいます。相変わらず声が大きいな。立場上、彼は困難に見舞われちょっとつらい立ち位置に。ですが自力でちゃんと乗り越えます。偉いぞ。

帝国における貴重な騎馬部員。彼こそ帝国の良心だと思っています。そのせいか、私にはなぜだか彼のお顔に常にソフトフォーカスがかかってとても美麗に見えていました。

 

カスパル=フォン=ベルグリーズ

明朗快活を具現化したような人。話すと非常に元気をもらえます。邪気が全く感じられない稀有な存在です。パパとは体格や顔つきなど全然似てなかったので、彼はお母様似なのでしょうか。

斧でも良かったんですが、エーデルガルトと被ってしまうのでそれは避け、格闘要員としてウォーマスターになってもらいました。小柄でも格闘が似合うのはなかなかかっこいいと思います。

 

リンハルト=フォン=ヘヴリング

良くも悪くも、徹頭徹尾ニュートラルな人だなと思います。彼の支援会話は、誰とのものであってもあらぬ方向に展開するので楽しいんですよね。リンハルトと誰かを喋らせたくてうずうずしてました。2年後の姿、ますます中性的で美しいですよね。単純にとても好みです。終始(というか今も)私はリンハルト振り回されっぱなしな感じでした。

やる気ないと言いながらも、放つ魔法攻撃が容赦なくて良いです。攻撃を受けて「痛っ!」って言うのがホント痛そうで気に入ってます。

 

ベルナデッタ=フォン=ヴァーリ

2年後、前髪をキュッと結んでいるのが可愛い子。引きこもりだけど弓の腕は確かです。ビシバシ出撃して強くなってもらいました。

お父さんともっと仲良くしてほしいけど、存在が嫌なんだもん仕方ないよね。矢を放ってワタワタした後に頭抱えてしゃがみ込む仕草が好きです。

 

ドロテア=アールノルト

歌劇団の歌姫としてではなく平民として、そして友人として皇帝となったエーデルガルトと共に前線で戦うという選択をした芯の強い人。カッコいいです。

踊り子にしても良かったかなと思いましたが、いかにもっぽくてやめてグレモリィに。

 

ペトラ=マクネアリー

ブリギット王の孫娘。2年後のいで立ちはフォドラとは違う異国の文化を色濃く感じさせますね。自国の誇りを胸に異国フォドラで戦っているんです。

彼女にとって外国語であるフォドラの言葉。読み書きはちゃんとできるのに、スピーキングになると一気にダメダメになる感じ、親近感湧きます。

 

モニカ=フォン=オックス

『風花雪月』本編では殺されてしまっていた気の毒な人。本作では本人がちゃんと生きてます。

エーデルガルトの熱烈な信奉者。なのでエーデルガルトから信頼の厚いヒューベルトやシェズに対して、その実力を認めつつも対抗心を抱いてます。記憶力抜群で、彼女のその能力をきっかけに物語が動きます。

 

ここまでが黒鷲の学級の生徒たち。さらっと最後に滑り込ませていますが、『風花雪月 無双』では、本編では殺されて闇に蠢く者の一味のクロニエに成り代わられてしまっていたモニカ本人が、本作では無事に救出されて黒鷲の学級に入るんです。これ、序盤のけっこう大きなターニングポイントだったりします。

 

 

帝国軍の人たち

黒鷲の学級の生徒以外で説得なしで帝国軍に加入してくれるキャラクターは2人。

 

イエリッツァ=フォン=フリュム

学級担任になった時はこの人に務まるのか⁉︎ とかなり驚きましたが、やっぱりあんまり務まってなかったですね。

『風花雪月』本編をやっている時は彼のことを単にヤベエ奴だなと思っていましたが、本作の会話の中で、罪の意識をちゃんと持っている真っ当な人だということがわかって、失礼ながら印象が変わりました。

 

マヌエラ=カザグランダ

彼女のように大人の人が1人いるだけで安心感が違いますね。

本作ではほぼハンネマン先生が出てこないので、ケンカ相手がいなくて寂しいんじゃないかと思ったりしてます。

 

以上、帝国軍のメンバーの他、戦場での説得で加入するキャラクターもいるので、けっこうな大所帯になります。

 

無双で初めまして

『風花雪月 無双』では、『風花雪月』本編では名前しか出てこなかったキャラクターが実体となって登場します。

帝国ルートである赤焔の章では、なんとカスパルのパパであるベルグリーズ伯、リンハルトのパパであるヘヴリング伯、ベルナデッタのパパであるヴァーリ伯が出てきます。

 

レオポルト=フォン=ベルグリーズ

ベルグリーズ伯は噂に違わぬ猛将っぷりで感激しました。全然負ける気がしないというか、腕の1本や2本くらいなら、斬り落とされても気合いで生やしそうな感じさえします。

カスパルは父親のことを相当おっかながっていますし、彼は紋章を持たず家督継承の権利はない子どものため、もしかすると冷遇されているもかなぁとも思っていましたが、全然違ってましたね。お兄ちゃんよりもさっぱりとした性格のカスパルの方が、お互い武人として馬が合うのかもしれません。かなり息子を可愛がっている様子が見られて良かったです。

 

ヴァルデマー=フォン=ヘヴリング

ヘヴリング伯とリンハルトの関係性はちょっと予想外でした。リンハルトは紋章持ちではありますが、家督を継ぐとかホントどうでもいいって感じですよね。まったく関心が無い。『風花雪月』本編では実家から大金くすねて軍に合流したりもするし、もう少しくらい家族に愛着があってもいいんじゃないの? と心配になってしまうほどでした。なので、パパとはだいぶ疎遠な感じなんじゃないかと思っていたんです。

しかし実際にリンハルトと話している様子を見ると、息子の独特な考え方もごく自然に受け止めている感じでした。彼を1人の違う考えを持つ人間として扱っているというか。とはいえ他人のような冷たさはなく、程よい距離感を保って息子と接しているんだなという印象でした。

 

グレーゴーア=フォン=ヴァーリ

本作ではエーデルガルトから南方教会の司教に任じられていたヴァーリ伯。娘のベルナデッタは怖がりながらもちゃんと戦場に出てるんだよ! あなたもしっかりしてくれ! ってちょっと説教してやりたい感じの人です。

重要な役割ではありますが、司教って言ってもただの貴族なわけですし、戦力にはならないからということで任命されたんだろうなぁという気がします。

 

帝国軍の印象

メインのメンバーだけを見ても、ヒューベルト、リンハルト、ドロテア、モニカ、マヌエラと、帝国軍ってかなり魔法勢が多いんですよね。ヒューベルトは外したくないし、せっかく救出できたんだからモニカは使いたいし、リンハルトは回復魔法使えるから必要だし、ドロテアを外すなんて考えられないし、マヌエラ先生の必殺技好きだし、誰を2軍に回すか悩みに悩むことになりました。しかも説得して帝国軍に加わる人たちの中にも魔法を使うキャラクターがいるんですよ。魔法勢の大渋滞です。『風花雪月』本編ではそこまで気にならなかったんですが、それは他国の生徒をスカウトしていたからだったのかもしれないですね。

個人的な好みでリンハルトをやたら使ってしまってましたが、その他の魔法勢の皆さんについてはどの子もなかなかに捨てがたく、万遍なく全員を強く育てようとして時間がかかってしまってました。だってみんな好きなんだもん。

結局、リンハルトとヒューベルトと『風花雪月』本編であまり使っていなかったマヌエラ先生の3人を使っていることが多かったかなと。せっかくのモニカを戦闘では使い倒すことができなかったのですが、前哨基地や支援会話でかなりいい感じにインパクトを残す子だったので、埋没した感じにはならずに済みました。

魔法の攻撃はすごく楽しいのですが、ここまで魔法勢が多いと、物理攻撃が欲しくなりますよね。ということで、エーデルガルトはもちろん、騎馬部員のフェルディナント、イエリッツァ、カスパル、ベルナデッタにはガッツリ活躍してもらいました。

物理攻撃勢で悔やまれるのがペトラ。彼女をトリックスターに育てたんですが、私の拙い操作が彼女のスピードについていけず…。ヒュンヒュンと素早い動きをしてくれるものの、敵がいない方へと進んでいってしまって焦ることが多かったんですよね。彼女のトリッキーな動きを活かせなかったのがもったいなくて。これは2周目に頑張るしかないなと思っています。

プレイアブルなキャラクターではありませんが、ベルグリーズ伯がいるということの心強さといったら半端なかったですね。彼がいるだけで、一気に軍の安定感が増した気がしました。ベルグリーズ伯が味方についているということが、大いにエーデルガルトの挙兵に説得力を持たせ、大いに兵士たちの士気を上げたのではないかと思います。

皇帝であるエーデルガルト自らが先頭に立ってフォドラに革命を起こそうとしているということへの団結が感じられました。

 

次回は青燐の章に出てくる王国軍の人々について語りたいと思います。

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『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』について語りたい【3】戦い方と作戦・説得

皆さんは『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』をプレイしたことがありますか?

「もうひとつの物語」と銘打たれた本作では、『ファイアーエムブレム 風花雪月』(以下『風花雪月』本編)で描かれていた、士官学校に集った生徒たちが国の未来をかけて三つ巴でぶつかり合うことになる戦いを描きながらも、新主人公シェズを置き『風花雪月』本編でも実現しなかった「if」の世界の全く異なる展開を見せていきます。

今回は、ゲームの大きな特徴である戦闘と作戦について感じることなどを中心に、このゲームについてさらに語っていきたいと思います。

 

戦い方はこんな感じで

「ファイアーエムブレム」のシリーズはシミュレーションRPG。戦闘は自分のターンの間、マス目状に区切られたMAPを睨みながら「このキャラをここに動かして、この敵を倒してこっちのキャラで回復させて」と手順をじっくり考えて戦います。こちらの攻撃に対して反撃されることはあっても、こちらのターンが終了するまでは、敵側からの攻撃は止まっています。

しかし『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』(以下『風花雪月 無双』)は無双です。アクションゲームなんですよね。迫りくる何人もの敵に突撃していき、必殺を繰り出して止めを刺すのがホント快感なんです。

 

ボタン操作

キャラクターが攻撃を繰り出し敵を倒していく戦闘でのボタン操作は次のようになっています。

 

  1. Yボタン      弱攻撃
  2. Xボタン      兵種アクション
  3. YからのXボタン   強攻撃
  4. Aボタン      無双ゲージ満タン時必殺技
  5. Bボタン      回避
  6. ZLボタン       ガード
  7. R + Y or Xボタン  戦技・魔法
  8. R + Bボタン     傷薬使用
  9. R + Aボタン     覚醒ゲージ満タン時覚醒
  10. L + Yボタン     味方を副官に任命
  11. L + Aボタン     副官任命時前衛後衛交代
  12. L + Bボタン     馬や飛竜から降りる

 

なんか、たくさんあるな! って感じですが、左手は移動、右手のボタン操作で攻撃というのは他のゲームと変わらないですね。

アクションゲームが苦手な私は、最初のうちはとにかくYボタンとXボタンの連打でやり過ごしていました。まさに無我夢中でガチャガチャやってる感じ…。でも慣れるにつれて、もっとカッコよく攻撃を決めたいという気持ちが湧いてきますし他のボタンと組み合わせる余裕も出てきます。進めていくうちにキャラクターも成長して強くなりますがプレイヤーも成長するわけですよ。YボタンをメインにXボタンも混ぜて強攻撃を加えつつ、ここぞという時にAボタンで必殺技! みたいな感じで徐々に自分なりの攻撃のバリエーションを増やしていけました。

無双はとにかく攻撃のエフェクトが派手ですし、敵はブワーッと飛んでいきますし、攻撃するのがホント楽しいんですよ。爽快、スカッと、ストレス発散な感じ。ですが、それだと「風花雪月」のキャラクターをただ使っているだけで、「風花雪月」らしさが失われてしまっているんじゃないかって思っちゃいますよね。

でも、大丈夫。無双ゲームでありながらも、「風花雪月」らしさもしっかりと感じられるような仕様になっているんです。

 

MAPでいろいろやるんです

『風花雪月 無双』では、戦闘中は、通常の画面とMAPの2つを使っていきます。無双はアクションゲームなのにMAPって必要なの? ってなるかもしれませんが、絶対必要なんですよ、これが。MAPにはたくさん役割があるんです。

①出撃するキャラクターを決める。

今回戦うのはここですよと戦闘前に早速MAPが表示されます。MAPを見ながら、地形を把握、どこに何の武器を持った敵がいるかを確認して出撃するキャラクターを決めていきます

育てたいキャラはどんどん出撃させていいのですが、留意したいのが武器の三すくみという武器の相性があること。剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強い。要はジャンケンのグーチョキパーですね。敵の持つ武器との相性が良い=よく敵を倒せるわけなので、利用しない手は無いです。

②仲間に指示を出す

出撃させるキャラクターを決めたら戦闘開始。MAP画面で「誰をどこに移動してどの敵を倒させるか」を決めて指示を出していきます

『風花雪月』本編では、出撃させたキャラクターたちに「どこまで移動して何で攻撃するか」というのを自分のターンになった時に決めていきましたが、本作には「自分のターン」自体が無いので、指示は都度MAP画面に切り替えて出していきます。技を繰り出して敵を倒しつつ、MAPに切り替えて仲間たちに指示を出しつつ、また通常の画面に戻って戦うというのがひとつの流れになります。『風花雪月』本編では自分のターンでまとめて全員の面倒を見ますが、『風花雪月 無双』では必要な時に必要とするキャラクターに対して面倒を見てあげるわけですね。

それって忙しいなと思うかもしれませんが、アクションだけで完結するのではなくMAP画面に切り替えられることで、じっくりと戦況を把握できますし、出撃しているキャラクターたち一人ひとりに対してどこの敵を倒させようかと吟味することもできて、『風花雪月』本編と近い感覚が得られます。MAP画面に切り替えることでアクションゲームにの中にシミュレーションゲームの要素が感じられるおかげで、私は無双ゲームをプレイすることのハードルが下がったなと感じられました。

3人の級長との出会い

出撃マップはこんな感じ

 

③現在地を把握する

戦っている画面って立体的な故に、自分がどこにいてどちらを向いているのかがわかりにくいんですよ。なので、仲間の元に駆けつけようとキャラクターを走らせていたのに遠くからこちらに向かって走ってくる味方のキャラと鉢合わせして自分が目的地とは逆走してたことが判明するとか、進んでも進んでも一向に誰とも出会わなくて「敵はどこだ?」 ってなったりというのが何度もありまして……。「自分、こんなとこにいるのか!」と確認するためにも、MAP画面は超重要なんです。

 

仲間たちの動かし方

出撃するキャラクターは主人公を含めた味方から選抜しますが、とはいえ出撃させる全員を操作できるわけではありません。ここで面白いなと思ったのが、出撃させたキャラクターたちの動かし方。

自分で直接操作ができるのは最大4人まで。最初は全員動かせないのか〜ってなりましたが、人数があまり多いと頭が混乱してしまいますし、うっかり動かし忘れてポツンとひとりだけ置き去りなんて発生してしまいそうですし、これがちょうどいい人数かなと。ですが、戦闘には4人以上出撃可能。どういうことかというと、出撃するキャラクターたちを自分で操作するメイン組と指示を出すのみのサポート組に分けるんです。

直接操作ができないサポート組の皆さんは、どこに移動してどの敵を攻撃するのかの指示をMAP画面で出しておけば、それに従って自主的に移動して敵とビシバシ戦ってくれるんですよ! 偉いな!

自主的に動いてくれるサポート組の援護を受けつつ、プレイヤーはキャラクターを操作して自分でも敵を倒して攻略を進めていくことになります。

なので例えば、メイン組のキャラクターたちでそれぞれ砦にいる敵を倒しにいき、サポート組の仲間たちにはそれ以外の敵を任せるとか、遠くの敵の所には馬に乗ったメイン組の仲間で向かって、その間にサポート組で目の前の敵殲滅に専念させておくとか、メイン組とサポート組とでバディを組んでそれぞれ散って戦うとか。いろいろ案が出てきますね。

自分が操作できるのはキャラクター1人だけなので、他のメイン組3人はプレイヤーのコントロールから外れた状態になります。しかしメイン組キャラたちもプレイヤーが操作されていないからといってサボることなんてしません。サポート組の仲間と同じく、ちゃんとコントロールから外れていても指示に従ってしっかり戦い続けてくれています。偉いな!

なので、シェズを操作して敵を倒したら他のメイン組の仲間に操作を切り替え、その間にシェズを別の敵がいる場所に移動してもらっておき、到着したら再度切り替えてシェズを操作する、みたいな感じで進めていけます。

敵をぶった斬っていると味方が砦を制圧したと報告が上がったり、自分が操作しているキャラの横を別のキャラが通り過ぎていったり、ちょっと離れたところで別のキャラが戦っているのが見えたりするんですよ。仲間たちと一緒に戦っているんだなぁという実感が湧いて、かなり感激しました。

ということで、プレイヤーが最低限気にするべきことは、自分が操作しているキャラクターの目の前にワラワラとゾンビみたいに襲いかかってくる敵たちをぶった斬って吹っ飛ばすことと、目的の敵を倒してしまった後のサブの皆さんがウロウロしないで済むように新たな指示を出してあげるのを忘れないようにすることの2つだけなんです。

 

ミッションと戦果

とはいえ、戦闘はスムーズにはいきません。いろいろ妨害されちゃうんですよ、敵に。

調子良く攻略を進めている途中で、士官学校でかつて一緒だった生徒が敵国の将として現れて動揺させられたり、敵があちこちで市民を襲っていることが分かって助けに行かなきゃってなったり、魔獣が現れて暴れ出したり、敵が救援要請の伝令兵を出したり、盗賊が宝を奪って逃げようとしたり。目の前の敵に集中できない事態がいきなり起こります。まさに、やることが多い! 

例えるなら、何人ものちびっ子の相手をしているみたいな感じ。あっちでコケて泣き出す子もいれば、向こうで壁にいたずら書きしてる子がいたり、抱っこをせがむ子がいて、トイレに行きたがる子もいる、みたいな。戦いながら、慌ただしくMAPをあちこち駆け回ることになるんですよ。それがまた楽しいんですけどね。

メインのミッションを達成し勝利条件を満たしたらクリアとなるので、盗賊などのサブミッションであれば放置しても構わないのですが、戦闘の後に戦いっぷりでランクが付けられて、その良し悪しによってもらえるお金とか戦果品が変わってくるんですよ。やっぱり成績悪いよりはいい方がうれしいし、結局頑張っちゃうんですよね。

何度でも同じ場所に挑戦することができるので、レベル上げやランクS 獲得のために何度も繰り返し出撃していました。

 

作戦と説得

メインクエストの大きな戦闘の前には、通常の戦闘では出てこない「作戦」の選択画面が出てきます。この作戦、発動させるためには作戦資源が必要になってきます。エピソード開始時に所持しているものの他、サブクエストで手に入れられるものもあります。

作戦は複数の選択できるのですが、それぞれに消費する作戦資源のポイントが振り分けてあり、そのメインクエストで使えるポイント内に収まるように選択しなければなりません。

作戦は戦闘を有利にするものだけでなく、ストーリーに関わるものもあります。戦闘が始まってからの変更はできないので、戦闘開始前にじっくり考えておくといいと思います。

3人の級長との出会い

作戦リスト

 

説得も作戦のうち

『風花雪月』本編では士官学校にいる間にいずれ敵国となる他学級の生徒をスカウトして自軍に引き入れておくことができます。このスカウトにあたるものが『風花雪月 無双』では作戦の中に「◯◯を説得」という項目で出てきます。

説得と言っても説得するキャラクターと戦って撃破するんですよ。力づくじゃん‼︎ って感じですね。

帝国ルート、王国ルート、同盟ルートで説得できるキャラクターはそれぞれ違っており、どのルートでも説得で軍に加わってくれるキャラクターもいれば、特定のルートでのみ説得できるキャラクターもいますし、どのルートでも説得の項目自体が出てこなくてどう頑張っても味方にできず戦うしかないキャラクターもいます。

『風花雪月』本編のスカウトと違う部分は他にもあります。戦場で説得して自軍に加わらせるので、味方となってくれるキャラクター全員が喜んで来てくれたわけではないということなんです。説得に応じたキャラクターは味方になったので前哨基地での会話が可能になりますが、全然屈託のないキャラクターもいる一方で、渋々なんだな〜、納得してないんだな〜って感じられるキャラクターもいるんですよ。向こうからすればこちらは敵国ですからね、みんなホイホイ来てくれるわけじゃないのってリアルだな〜と思います。

 

ということで、『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』についてまだ語り尽くせていないので、次回からは各ルートについて語っていきたいと思います。

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『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』について語りたい【2】学級選択と士官学校

皆さんは『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』をプレイしたことがありますか?

「もうひとつの物語」と銘打たれた本作では、『ファイアーエムブレム 風花雪月』(以下『風花雪月』本編)で描かれていた、士官学校に集った生徒たちが国の未来をかけて三つ巴でぶつかり合うことになる戦いを描きながらも、新主人公シェズを置き『風花雪月』本編でも実現しなかった「if」の世界の全く異なる展開を見せていきます。

今回は、ゲーム序盤の分岐点である学級の選択とそのことによって感じることなどを中心に、このゲームについてさらに語っていきたいと思います。

 

ゲームスタート

『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』(以下『風花雪月 無双』)をいよいよ始めるぞ! ということで、トレーラー PVのイメージが強かったこともあり、まずは男主人公を選択しデフォルトの名前シェズでスタートすることにしました。

始めてすぐに驚いたことは、主人公が喋ること。『風花雪月』本編での主人公であるベレト(ベレス)は、ほぼ喋ることのない無口なキャラクターでした。会話はしますが字幕のみで進行してあまりにも喋らないため、声優の方がちょっと気の毒になるくらいでした。

しかし『風花雪月 無双』ではの主人公シェズはよく喋ってくれます。男主人公シェズの声は畠中祐さん。ちょっと掠れたような引っ掛かりのある感じが特徴的。畠中さんが演じられている役の中で私が知っているもののイメージから、少しやんちゃな感じになるのかなと思っていましたが、シェズの喋り方はとても穏やかで聞いていてかなり心地よいんですよ。傭兵としてずっと生きてきた青年にしては、仲間たちとの会話でのシェズは優しい物言いをしており、非常に気遣いのできる子だということが伝わってくるんですよね。しかもかなりさっぱりとした性格で、遺恨を溜め込むことがない感じがとても爽やか。シェズならばどこの陣営に入っても仲間たちと無理なく馴染んでいくだろうなと納得できます。ベレト(ベレス)以外の主人公なんて認めないという熱烈な方も、このシェズには好印象を抱かずにはいられないんじゃないかと思います。

物語は、このシェズのいる傭兵団と「灰色の悪魔」と恐れられる凄腕の傭兵のいるジェラルト傭兵団が剣を交えるところから始まります。「灰色の悪魔」とは、紛れもなく『風花雪月』本編の主人公ベレト(ベレス)のこと。序章からいきなり本編の主人公と『風花雪月 無双』の主人公とが戦うことになるんですが、ベレト(ベレス)が容赦無くて良いんですよ。敵側から見たベレト(ベレス)ってこんな感じなんだな〜と感激するほど、とにかく強いし怖いんですよね。シェズは一方的に押されて、もう負けは確実のところまで追い込まれてしまいます。

この『風花雪月 無双』の主人公であるシェズは、本来であればベレト(ベレス)との戦いで敗れていたはずの若くて未熟な傭兵なんですよね。『風花雪月』本編では、彼はここで命を落としていたんだろうと思います。しかしその時、彼に不思議な力が宿り絶対絶命の危機を脱することになるんです。ここが「if」の世界への入り口とも言っていい場面です。

強さを身につけ次こそは「灰色の悪魔」に勝つと決意したシェズ。彼は、森で3人の少年たちと「偶然」に出会い、盗賊に追われていたところを助けます。彼らはアドラステア帝国の次期皇帝エーデルガルト、ファーガス神聖王国の次期国王ディミトリ、レスター諸侯同盟の次期盟主クロードの3人だったのです。

3人の級長との出会い

級長さんたち3人の身分を知って驚くシェズ

 

まあ普通驚きますよね。シェズの反応は正しいなと思います。

『風花雪月』本編での序章タイトルは「必然の出会い」。しかしこの『風花雪月 無双』は「偶然の出会い」となっています。ベレト(ベレス)は必然、シェズは偶然。本当なら傭兵シェズは彼ら3人と出会うことはなかったのだということなんでしょう。なかなか細かいですね。

エーデルガルト、ディミトリ、クロードの3人がセイロス聖教会の拠点であるガルグ=マク大修道院に併設された士官学校の生徒たちであったことから、シェズは半ば強制的にガルク=マクに連れていかれることに。そしてそこで待ち受けていた大司教レアやセテスによって、士官学校の生徒として受け入れることが強引に決められてしまいます。

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職員勢揃いの圧が……

 

一見すると、シェズに対してあれこれと良くしてあげているようにも見えますが、これには未来の元首たちを命の危険に晒したという不祥事を外に漏らさぬための口封じの側面もあるんですよね。この場面でのレアやセテスら大人たちの胡散臭い感じ、良いですね。

士官学校の関係者が集まり、シェズは一気に士官学校の説明を受けていきます。『風花雪月』本編と違って、どんどんいくぞって感じ。なので、最初の選択である「どの学級に入るか」の決断をすぐに迫られることになります。

エーデルガルトが級長の黒鷲の学級を選ぶか、ディミトリが級長の青獅子の学級を選ぶか、クロードが級長の金鹿の学級を選ぶか。選ばなかった学級の生徒たちはいずれ敵となると考えると、迷ってしまいますよね。

この『風花雪月 無双』で初めて「風花雪月」の世界に触れる方は、どの学級を選んでもいいと思うんです。シェズはどの級長さんにも好印象を抱いていますし。実際、どの学級を選んでも級友たちは良い子ぞろいですし、シェズもすぐに打ち解けて「仲間」って感じになっていきます。安心して直感を信じて学級を選んでほしいと思います。

が! 『風花雪月』本編をプレイ済みの方は、ちょっと注意が必要かなと思います。本来なら死ぬはずだったシェズが生きのびたように、この『風花雪月 無双』の世界は「if」の世界です。そうじゃなければパラレルワールドのような世界です。『風花雪月』本編と同じキャラクターたちが登場しますが、彼らは『風花雪月』本編とは違う環境に置かれ、違う経験を重ね、違うことを感じていくことになります。同じキャラクターであっても、この『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』の中の彼らは、あくまでも『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』の世界で生きている彼らなのであり、『風花雪月』本編の彼らとは別人だというべき存在なんです。

「if」というのは「〜であったらどうだったか」という世界であると同時に「〜ではなかったらどうだったか」の世界でもあります。「もうひとつの物語」で自分の思い描いたようなプラスの展開ばかりではなく、自分にとってマイナスに感じられる展開も描かるとしても、それは当然なんですよ。だって別の世界の物語なんですから。

で、なんだかんだ言いましたが、私自身は発売日まで体験版で3学級とも進められるところまで進めた後に製品版に移行したという経緯もあって、今日は金鹿、明日は青獅子、そして黒鷲というように結局3学級を同時進行でプレいしていたんですよね。私がクロード推しということもあり、金鹿のプレイ時間を一番多くして最初にクリア、次に青獅子、黒鷲としていきましたが、途中でどの学級がどこまで進んで何が起きているのか混乱してしまうところがあり、ちゃんと落ち着いてプレイするべきなんだなと反省しているところです。

 

で、士官学校はどうだった?

『風花雪月 無双』の士官学校の日々は、制服を着崩すこともせずきっちりと着ているシェズの初々しさにも、生徒を連れていることを忘れていそうなイエリッツァ先生の鉄壁のマイペースっぷりにも慣れる間も無く、あっという間に過ぎてしまいます。なぜならアドラステア帝国では権力争いによる内乱が起き、ファーガス神聖王国では王位継承に関する内紛が起き、レスター諸侯同盟では隣国のパルミラの大軍に攻め込まれるというように、同時多発的に各国で問題が発生するんです。

各国の貴族の子息子女である士官学校の生徒たちは、問題に対応するため自分の国にそれぞれ帰らざるを得なくなり、シェズは「元々傭兵だしな」ってことで、自分の選んだ学級の生徒たちの国で起こったゴタゴタにお付き合いすることに。そうこうしているうちに3国で争う戦争が勃発、シェズはなし崩し的に傭兵として参戦することになります。各級長さんの抱える事情も、各国の状況も深くは知らないシェズの巻き込まれ感。戦争ってこんな感じで始まるんだろうなって思います。

本作は無双ゲームですから、戦いがメインです。敵を倒してナンボ。士官学校でみんな仲良くなんてしてないで、主人公たちにはさっさと戦乱の中に身を投じてもらいたいわけですよ。だって無双ゲームですから。

士官学校での日々が短いということで、シェズはここでの他学級の生徒たちとの交流がほぼ無いため、戦場で敵将として現れる彼らに対しての思い入れはなく、プレイヤーも敵として倒すことにためらいや葛藤といったものは抱かずに済みます。「なんでこんなところで俺たちは戦わなきゃいけないんだ‼︎」みたいな感情ってドラマチックですが、無双のように戦い自体を楽しむゲームには必要ないんですよ。士官学校の時間が少ないおかげで、敵となった他学級の生徒たちと戦うことになっても、彼らの強さを純粋に受け止めることができますし、倒した時の達成感を味わうことができます。爽快ささえあります。めちゃくちゃストレス発散できます。

また、『風花雪月』本編では、仲良くなった他学級の生徒(級長とその腹心以外)をスカウトして自学級に引き込むことができましたが、『風花雪月 無双』ではスカウトはできません。だってそこまで仲良くなっていませんし。しかしその代わりに、戦場で説得して自軍に引き込むことができるんです。

ただし、説得できるのが全員ではないのがポイント。もう戦争に突入しちゃってますし、誰も彼もが祖国を裏切って自軍に入ってきてくれる方が不自然ですしね。ということで、戦場で説得できるキャラクターの人選は、かなり現実的。元々国のしがらみがないキャラや祖国に忠誠心が薄いキャラクターもいますが、地理的な理由で領地を守るためなどのように寝返ることに納得できる理由があるキャラクターのみが説得可能となっているんです。ちゃんと考えられているなと感じます。

 

信頼関係がいつ構築されるのか

『風花雪月』本編では第2部は5年後。開戦から5年経ってもまだなお終結が見えない状況に、心が痛くなってしまいます。まだ幼さの残る少年少女だった生徒たちは、すっかり大人となって戦場に立っており、たくましく成長した生徒たちの姿に胸が熱くなるわけです。

ですが『風花雪月 無双』での第2部は2年後。短いのは士官学校の期間だけではないんですね。第2部では級長さんたちは3人ともそれぞれの国の元首となっていますが、本編よりみんな若いんですよ。みんなほぼ20歳そこそこ。『風花雪月』本編よりもさらに戦場での将としても人間としてもまだまだ経験が足りていない状態なんです。なので、未熟な傭兵であるシェズと、同じくまだ未熟な仲間達は、同じ軍の人間として戦うことを通して共に成長し信頼関係を構築していくわけなんです。

『風花雪月』本編に比べて士官学校での期間が短く生徒たちの交流が浅いままで終わってしまっていることや、本編よりもさらにキャラクターたちが若い時点での物語になっているということは、それぞれの学級のシナリオにも大きな影響を与えていくことになります。

 

ということで、まだまだ『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』について語り尽くせていないので、次回はこのゲームの1番の特徴である戦闘について語りたいと思います。

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