『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』(以下『ジークアクス』)が無事に最終回を迎えました〜! いや〜! 楽しかったし、面白かった!
この作品は、サンライズとスタジオカラーの共同制作で、監督は鶴巻和哉さん、脚本は榎戸洋司さん(一部、庵野秀明さん)で、TVシリーズは2025年4月から6月にかけて放送されました。その放送に先駆けて一部話数を劇場上映用に再構築した劇場版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX-beginning-』を観に行ったのが1月だったので、それをスタートと考えると約半年の間『ジークアクス』に楽しませてもらっていたことになります。
『ジークアクス』はガンダムにアムロではなくシャアが乗り込むことになるという『機動戦士ガンダム』(以下『ファースト』)のパラレルな世界の物語であることを劇場版で提示し、『ファースト』ではあっという間に退場してしまったジオン軍のニュータイプであるシャリア・ブルをメインに据えつつ、スペースコロニーで生まれ育った少女アマテ・ユズリハ(以下、マチュ)を主人公とするジュブナイルストーリーを同時進行させていきました。
どんどん話が広がっていって、どうやって決着つけるのかハラハラしながら見てましたが、最後は盛りだくさんな物語をしっかりまとめ、メインのキャラクターたちをまとめてハグしたいような気持ちにさせてくれました。
賛否両論あるのもわかりますが、私としては「ありがとう、そして、おめでとう 『ジークアクス』!」という感想一択な感じです。
ということで、何回かに分けて『ジークアクス』の物語を最後まで見届けて感じたことを吐き出していきたいと思います。
待つ時間さえ楽しくて
私はガンダムはまあまあ好きだけど、全然詳しくはないライト層でして、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』という新しいガンダムの劇場版(テレビシリーズをやることもよくわかっていなかった)の曲を米津玄師さんが作っているという情報から知った感じでした。
ガンダムなら何でもいいってわけではないぞと言いつつ、観に行った方の投稿でSNSが賑やかになっているのを見てどうしても気になってしまい、結局映画館に行ったんです。
劇場版を観に行った皆さんそうだと思いますが、ビックリして何が起きてるんだか理解が追いつかないのに、メチャクチャ楽しかったんですよ。だって、ガンダムにアムロじゃなくてシャアが乗り込むし。ガンダム持って帰って赤く塗っちゃったりして、すっかり気に入ってるし。「こうだったら面白いよねー」という妄想のさらに上の映像が映画館の大画面で繰り広げられていて、公式がここまでやっていいのかとうっすら心配になるほど。
しかも、ガンダムに乗ったままシャアがゼクノバという現象に巻き込まれて突然生死不明になって呆然としていると、beginningパートからいきなり「ポケモン始まったのか?」と焦るほど可愛い絵柄に変わり(キャラクターデザインはポケモンシリーズで知られる竹先生)、何事もなかったようにマチュの物語が始まったんです。そして、しれっと登場する赤いガンダム! しかし、あれに乗っているのはシャアではないと言うシャリア・ブル(以下、シャリア)。
なんかエヴァみがある禍々しいガンダムの造形。行方も生死も不明なままのシャア。シャアを探して美声のしっとりイケおじになって登場するシャリア。とにかく丸くて小さくて可愛い女子高生 『ジークアクス』の主人公マチュ。
これは絶対にマチュたちの物語を描くという口実で、『ファースト』のキャラとはいえ手垢でまだ汚されておらずイメージが固定していないシャリアを使ってやりたい放題するつもりだなという確信だけはありました。こんなお宝キャラが眠っていたとは! 劇場版を見に行って書いた記事を振り返っても、この時すでに私は「緑のおじさん」ことシャリアを相当気に入っちゃってます。
『ファースト』を下敷きにしたパラレルな世界を描いた『begining』とコロニーに住む普通の少女が主人公の 『ジークアクス』という、向かう方向が全く違っていそうな2つの軸が物語の中でどう交錯していくのか、ワクワクして放送を待っていました。
とっても良い意味で思っていたのと全然違った
TVシリーズの放送開始の日時と話数を知ってます思ったことは「新ガンダム、冷遇されてないか⁉︎」ということでした。
前作となる『水星の魔女』は、日曜日の夕方5時放送で2クール24話。この話数でも展開のスピードが速いなーと思って観ていましたが、『ジークアクス』はさらに話数が少なく1クール12話。しかも平日の深夜枠。なんだか隅に追いやられてしまった気がして、ガンダムという巨大コンテンツですらこの扱いなのかとがっかりしつつ、でも深夜放送ということで、カワイイ絵柄とは相反する大人向けな内容になったらうれしいなという期待もありました。
とうとう始まったTVシリーズ。最初の3回までは劇場版をなぞり直す形で、普通の女子高生マチュが、戦争難民の少女ニャアンや赤いガンダムに乗る少年シュウジと出会い、ジオン軍の最新モビルスーツ「GQuuuuuuX(ジークアクス)」を強奪する形で非合法なモビルスーツでのバトル競技「クランバトル」に参加していくことになる様子が描かれました。
残り9話しかないのに大丈夫かなと心配しつつ見てたわけですが、どうも学園ものではなさそうだし、クランバトルに身を置くようになったマチュとシュウジの前にシャアが対戦相手として現れるのかも? とか、クランバトルでジオン軍に才能を見込まれたマチュとシュウジが実戦で戦うようになるのかも? なんて戦闘することを中心にストーリが展開されていくのかなと予想し、ちょっと三角関係ぽいことでケンカしたりするかもしれないけれど、マチュ、ニャアン、シュウジはずっと一緒にいるのだろうとも思っていました。
が、公式がここまでやっていいのかとうっすら心配になった劇場版の勢いそのままに話が進み、パラレルな世界での物語らしく『ファースト』や『Zガンダム』のキャラたちが登場して、ガンダム好きな方は盛り上がり、初心者の方たちが『ファースト』を履修している間に、シュウジはシャアと同じくゼクノバに巻き込まれて行方不明になり、ニャアンはジオン軍に拾われ、マチュはテロの共謀者として指名手配されシャリアに拿捕され、主要キャラがバラバラになってしまうという展開に。
ジオン軍はジオン軍で、内部は大きくギレン派とキシリア派に二分され、シャアを捜索する命を帯びているシャリアの下にいるエグザベ・オリベ少尉(以下、エグザベ)はキシリア派に属しギレン派のスパイの疑いがあるシャリアを監視する任務を密かに帯びていたり、シャリアもシャア捜索任務を遂行しているその裏でギレンとキシリア2人とも同時に排除しようというキナ臭い思惑を持って動いていることが明らかになり、不穏さが増していきます。
マチュはシャリアの監視下に置かれ、ニャアンはキシリアの下でモビルスーツのパイロットとなったため、同じジオン軍の中にいるものの彼女たちは敵対する陣営に身を置くことになってしまいます。これ、絶対戦うことになるじゃないですか。あんなに一緒だったのに!
マチュとニャアン、シャリアとエグザベが敵対する形になってしまって、これ、いなくなったシャアとシュウジが双方うまくまとめてくれるのか? とも思いましたが、2人の雰囲気からしてどうやっても非常に望み薄な感じ…。どうする? どうなる?
しかし、『ジークアクス』は、ただ敵味方に分かれて戦って決着をつけて終わり、ではありませんでした。
あなたはあなたらしく自由に生きていいし、そう生きられるんだよ!
最終話まで見届けて、こんなところに着地するなんて全く予想だにしていなかった、明るくてとっても前向きなメッセージが力強く胸に叩き込まれるのを感じました。
主軸は対となるマチュとシャリア
『ジークアクス』の中では、キャラクターが対照的な存在になるよう意図的に描かれています。
例えば、マチュはお嬢様学校に通う女子高生でニャアンへ戦争難民と置かれた環境も違いますし、背が低くてまん丸な瞳にボーイッシュな短髪と背が高くて大人びた切れ長の目にロングヘアと外見も対照的です。
また階級は同じ中佐ではありますが、柔らかい口調で指示を出し、スーツ姿でふらりと現場に出ていくシャリアに対し、ソドンの艦長ラシッドは常に軍服姿で艦長の席にしっかりと座り、無駄の無い少しぶっきらぼうな口調で指示を出しています。
他にも、マチュにあだ名で呼ばれるほど懐かれるコモリ・ハーコート少尉に対して、ニャアンをジオン軍に招いたにも関わらずちょっと距離を置かれてるエグザベなどもあるわけですが、この『ジークアクス』の主軸として対になるよう描かれ続けているのがマチュとシャリアです。
進路希望にクラゲと書いちゃうような女子高生のマチュと、「灰色の幽霊」という二つ名を戴き恐れられるほどの軍人シャリアと。こんな2人が交錯し、まるで師弟のような関係となることによって、2人の「大切な人」との向き合い方の違いが際立つんです。
ということで、次回も引き続き『ジークアクス』を語っていきたいと思います!
