観て聴いて読んで書く

マンガ、アニメ、ゲームなど好きだと思ったものについて無節操に書き綴ります

突然『ブルーロック』にハマったので語りたい

皆さんは『ブルーロック』をご存じ、ですよね……。 原作:金城宗幸先生、作画:ノ村優介先生、週刊少年マガジンにて2018年より連載開始、この記事を書いている2024年4月時点で28巻まで刊行されている作品です。2022年10月よりアニメ1期が、2期も2024年10月より放映されました。

で、この『ブルーロック』の沼にホントに突然いきなり唐突にハマりました。なんなんですか、この作品ヤバいですね。どうして今までこんなに面白い作品をスルーするなんてことができていたのか、自分自身が不思議で仕方ありません。先ほど『ブルーロック』のラバーストラップが欲しくてガチャガチャで3,000円ほど溶かし、カプセルが無くなって打ち止めになったので仕方なく帰ってきたところです。

このブログでは基本的に完結している作品を取り上げて語っていこうと思っているのですが、好きな気持ちが湧き上がって仕方がないということで、今回は『ブルーロック』について語っていきたいと思います。

 

 

受動喫煙

正直な話、『ブルーロック』を知ったのは、XのTLに流れてくる二次創作漫画原作からでした。フォロワーさんにお好きな方がいたんですよね。

一応、「少年マガジン」に連載されているサッカーマンガであること、潔君という子が主人公であるということ、アニメ化もされていること、エゴイストって言ってること、などは情報として知ってはいたんですよ。で、TLに流れてくる二次創作を見ながら「どうやら凪や凛というキャラと潔は才能や実力を認め合う関係っぽいなー」「カイザーって選手とは反りが合ってなさそうだな」とか、ふんわりと関係性を想像したりしていました。でも、マンガを読む、アニメを見る、というところまではなかなか食指が動かなかったんです。

それには2つ要因がありました。まず1つ目は「少年マガジン」連載であること、そして2つ目はサッカーマンガであることです。

「少年マガジン」って昔は好きな作品もあって読んでいた時期もありました。が、「少年マガジン」といえばヤンキーとラブコメみたいなイメージがだんだん強くなっていき敬遠するように。「少年サンデー」もなんとなくつまらなくて遠のき、いつの間にか「少年ジャンプ」一択に。なので、『ブルーロック』ってマガジン連載の作品か〜そっか〜みたいな感じで、もったいなくも最初はあまり興味が湧かなかったんですよね。

さらに私の中で、サッカーマンガってあんまり面白くないというイメージができちゃっていたんですよね。一応何作品か読んではいまして、浦和レッズのファンだったので『Jドリーム』なんかは古いけど名作だなーと思ってます。でもやっぱり『キャプテン翼』のインパクトがあまりにも強いじゃないですか。それを超えてガツンと殴りに来るような作品には出会えていなかったんです。でもそんな『キャプテン翼』でも、アニメはサッカーゲームの画面を見ているみたいで、なんだか残念な感じなんですよね。

『キャプテン翼』以上のインパクトがある作品に会えないし、面白いと思った『キャプテン翼』すらアニメはつまらなく感じるし。

野球みたいに完全に攻守が交代してピッチャーとバッターのサシの勝負が繰り広げられるわけでもないし、バスケみたいに攻守がいきなり切り替わって気を抜くとすぐにシュートが決まってるようなスピード感も無いし、ラグビーみたいに厳しいルールの上でぶつかり合い潰し合ってボールを奪う格闘技さながらの肉弾戦があるわけでもないサッカー。Jリーグが発足して30年以上経ち、今では海外で活躍している日本人選手もたくさんいて、プロサッカー選手になることや海外に行くことがまったく手の届かない遠い世界の夢物語というわけでもなくなりましたし、日本代表が絶望的に弱くて試合を見てられないというわけでもないっていう状況にあるサッカー。もしかして今サッカーって、マンガやアニメにするには中途半端で面白くないスポーツなのかも? って思ってたんです。

そこで出会ったのが『ブルーロック』でした。Xを眺めていればTL上に二次創作作品やグッズの告知がバンバン流れてくるし、本屋に行けば単行本が良い場所に平積みされているし、なぜか本編ではなくスピンオフの『ブルーロック ーEPISODE 凪ー』が劇場版で上映予定ということで大きなポスターが貼ってあるし。

たぶんその「スピンオフが映画になってる」というのが自分の中で引っかかったんじゃないかと思います。スピンオフで劇場版いけるって相当じゃないですか。もしかして、ちょっと不思議な作品なのかも? と興味が湧いたんですよね。で、ちょうど仕事を辞めて家にいて時間は有り余ってる時だったので、配信でアニメ全話無料で見られるし、だったらちょっと見てみるかなとなったんです。

 

最初はまず様子見のつもりだったので、1、2話見たらそこで一度終わりにしようと思っていました。が、配信で見てるので自動的に次の回の再生が始まっちゃって止めるタイミングを失ってしまい、気づけば一気に22話まで見てしまっていたんですよ。窓の外はもう暗くなってるし、夕食食べなきゃいけないしで仕方なく中断。でもあと2話だけ次の日に持ち越しなんて状況、ツラ過ぎますよね。ということで、家族の就寝後に残りの2話を見届けて寝たんです。

そして翌日、「あのキャラのセリフ、何話だったかな?」「あのシーンってどんな流れでそうなったんだっけ?」など気になってしまい、結局朝からアニメを再視聴。途中で出かける用事があったのですが、その帰りに本屋に立ち寄り原作マンガをまとめて購入して持ち帰り、「ここは原作とは少しセリフが変えられてる」「この場面は原作には無かった」などなど原作とアニメと見比べてその違いを楽しんでいました。

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主人公の泣き顔

『ブルーロック』の主人公は高校2年生の潔世一(いさぎ よいち)。彼は埼玉県大会の決勝戦でゴールキーパーと1対1に持ち込んでいながら「サッカーは11人でやるスポーツだ」とゴール前に走り込んでいた味方にパスを出します。しかし味方の放ったシュートはポストに弾かれ、敵にカウンター攻撃を受けて負けてしまうんです。

試合後、自転車を引きながら挫折感に打ちひしがれ歩いている潔。

 

もしあの場面でパスじゃなくシュート撃ってたら俺はーー
俺の運命は変わってたのかな?

 

サッカーはチームスポーツ。1人じゃできない。そうとはわかっていても、込み上げてくる悔しさ。

 

勝ちたかったあ…

 

堪えきれず涙を流す潔の泣き顔のアップ! はい、ここ! ここですよ! ここ! この時の潔の表情が、とにかく良いんですよ。額に入れて飾りたいくらい。この表情に、私は胸を射抜かれてしまったんです。

この感覚、身に覚えがあるなと思ったんですが、『葬送のフリーレン』の第1話でヒンメルの死にフリーレンが涙を流すシーンに受けた衝撃とすごく似てるんですよね。この場面、作画に気合いが入りまくっていて、フリーレンがとにかくグッとくる表情をしてるんです。それと同じく、あと一歩で全国大会に届かなかった悔しさを噛み締め、堪えきれずに涙を流す潔の泣き顔が、作画が丁寧でとにかく可愛く、私は胸に強烈なひと突きを食らわされてしまったんです。

ある出来事をきっかけに、 自分の胸の奥にあった感情を自覚した主人公がめちゃくちゃいい泣き顔を見せて読者の胸を貫いてくるっていうの、もしかして流行ってるんですかね。ものすごく有効な技ですよね。

『葬送のフリーレン』では、それまで淡々としていたフリーレンが、10年共に旅したヒンメルについて知らないことだらけのまま亡ってしまったことに気づいて涙した後、人間を知るための旅に出ることにします。

『ブルーロック』では、サッカーはチームスポーツだしゴールを外したチームメイトを責めることはできないしと、どうにか負けを受け入れようとしながらも、FWのポジションにいるのなら自分でシュートを放って勝ちをもぎ取るべきだったんじゃないかという気持ちがどうしても消せずに涙を流した潔に、ブルーロックから強化選手として招待状が届きます。「泣く」ということがターニングポイントなんです。この展開、この子がこの先どうなるのか、否が応でも気になって仕方なくなりますよね。

この潔の泣き顔がなければ、私は『ブルーロック』のアニメを見続けることはなかったんじゃないかなと思うんですよ。そのくらいこの作品にとって重要なキーポイントだと思っています。

 

欠けているもの

招待状には何も詳細は書かれておらず、疑心暗鬼な状態で日本フットボール連合に出向いた潔は、その入り口で県大会の決勝戦で戦った高校のFW吉良涼介(きら りょうすけ)と合流します。吉良はU18の召集も期待されるほどの実力を持ちながら、チームを大事にし、朗らかで潔に気さくに声をかけてくるような「良い奴」。潔はそんな吉良にちょっと褒められたりして気分よく集合場所へ入っていきます。そこにはたくさんの顔を知っているような選手たち。そこで潔が違和感を抱いたところで、彼らを招集した男、絵心甚八(えご じんぱち)が現れ、衝撃の発言をするんです。

 

俺はここにいる300人の中から
世界一のストライカーを創る実験をする

 

絵心は「青い監獄(ブルーロック)」と呼ばれる施設で、全国からここに集められた300名のストライカーたちにサバイバルをさせると言うんですよ。最後に残った1人こそ、世界一のストライカーとなれる。いきなり招集しておいて、こんな乱暴な説明しかしない絵心。驚いて何も言えなくなっている潔と違い、キッパリと絵心に反論する吉良。自分も含め、これから全国大会が控えている選手もいるのに、チームを捨てて訳のわからない施設に監禁されるなんて、たまったもんじゃありませんよね。

しかし絵心は日本代表の組織力は一流でも他は二流だと断じ、点をとった人間が一番偉いと言い放ちます。

 

世界一のエゴイストでなければ
世界一のストライカーにはなれない

 

サッカーとはお前らストライカーのためにあるスポーツだ
お前以外の人間はピッチ上の脇役だと思え

 

県大会決勝で自分でシュートを放てずに敗北したことを悔いていた潔に、この絵心の語る強烈な言葉は響きすぎるほど響きます。誰よりも早くその言葉に反応し、走り出す潔。

サッカーはチームスポーツです。11人がそれぞれのポジションでそれぞれの役割を果たし、組織的に動くことによって戦術を実現させ、勝ちに繋げていくものなんだろうと思います。が、サッカー日本代表戦を観戦していて「どうしてそこでシュート撃たないんだ!」「なんでシュートを外すんだよ!」ってイライラしたことって誰にでも一度はありますよね。敵側FW・MFを置き去りにして、DFを抜き去り、GKを怯ませるほどのシュートを放てるような、世界に轟く圧倒的な力を持つエースストライカーの出現を望むのも事実。実在の日本の選手名を出して貶め、他のポジションをバッサリ切り捨てる独善的な絵心の言葉にムッとしながらも、私自身ウズウズと胸が疼いてました。

 

エゴイストの衝撃

これから物語は、ブルーロックに集められた高校生FWたちが生き残りを賭けたサバイバルを繰り広げることとなります。絵心の思惑に乗った潔と絵心を否定するため参加したという吉良。私は潔と吉良がライバル的な感じで共に進んでいくんだろうと思ってたんです。しかし、吉良はあっさりと退場することになります。しかも彼に引導を渡すのは、他でもない潔なんですよ。

良いですよね〜、こういうの。大好物です。

世界一のストライカーになるためにブルーロックに来た潔は生き残り、そうではなかった吉良は消されてしまいました。才能に溢れキラキラして見えた吉良(しかもCVは鈴村健一さん)のあまりにもあっけない退場。

このことにより、吉良の日本代表への招集は一生無くなってしまいました。サッカー選手であれば、想いの強さは違えど日本代表になるのは夢であり目標ですよね。その道を断たれてしまうというのは、まだ高校生の彼にとってはあまりにも重いペナルティです。サッカー選手としての死の宣告だと言っていいでしょう。ここまでくると、生き残るためのサバイバルゲームというよりも、誰かを抹殺していくデスゲームですよね。

こうして残ったのは275名。潔はその中の10名とチームメイトとして共同生活をしてくことになります。チームZとして他の候補生チームと試合もしていくので、当然どんな選手なのかの描写もありますし、潔も彼らと仲良くなっていきます。しかし忘れてはいけないのが、絵心は「最後に残る1人の人間は世界一のストライカーになれる」と言っているということ。1人だけ、なんですよ。

スポーツマンガって、主人公が立ち塞がる敵を倒して成長していきますよね。サッカーだと、鉄壁の守備を誇るGKだとか驚異的なゲームメイクをするMFなど、核となる選手がいる多様なチームと対戦していき、それが終わると対戦してきたチームの主力選手たちが召集されてドリームチームが結成され、世界を相手に戦っていくようになっていくってイメージがあるんですが、それって敵チームの中心選手のポジションがうまくバラけているからできることですよね。今まで敵だった相手が心強いチームメイトとなるんですから。

でも『ブルーロック』では、物語が進むにつれ敵として対戦した相手と一緒にチームを組んだり、仲間だった相手が倒すべき手強い敵となって現れるという展開になります。敵ではないけど仲間でもないという流動性、自分が読んできたスポーツマンガではあまり無かったんですよね。

同じチームの仲間になれば、試合中に当然パスだって出しますよ。でも、潔たちブルーロックの選手たちは、あくまでもゴールは自分で決めたいと、エゴを剥き出しにして味方だろうと出し抜いていきます。チーム一丸となるかと思いきや、登場人物たち自身が拒否するんですよ。

ブルーロックに集められたのはFWの選手のみ。共同生活や試合を通し、たとえ気心が知れ仲良くなっても、たとえその能力を高く評価していても、自分の周りの全ての人間は蹴落とすべき相手であることに変わりはありません。だって彼らは、ふるいに掛けられている真っ最中。最後の1人になるまで、サバイバルはまだ続いているんですよ。全員が日本代表に入りたい、世界一のストライカーになりたいと思っています。その中で彼らは生き残らなきゃいけないんです。

普段の潔はグイグイ行く性格ではなく、どちらかというと我の強い仲間の間に入り、調整役に回るような子です。そんな潔ですが、勝負がかかると味方をも欺き利用するほどの狡猾で強欲な一面を見せます。そのギャップがすごいんですよね。自分が打ち負かした相手の泣き顔を見ての潔のモノローグがこちら。

 

これが勝つってことか… ああ… なんだよこれーー…
気持ちいいーー!!

 

同じ夢を持つ相手を蹴落とす快感を主人公が感じていることを、ここまでガッツリ前面に打ち出してくるのって、私の今まで読んできた作品の中では無かったと思います。サッカーマンガを読みながらバトルロワイヤル的な興奮が味わえるとは思いませんでした。きれいごとだけじゃない生々しさがこの物語にあるんですよ。

チームメイトと力を合わせてシュートに結びつけるだけではなく、自分の中のエゴをさらけ出してゴールを奪い取ることのできる潔。そんな彼が百戦錬磨の強者たちを蹴落として世界一のストライカーとなるその道程を、ずっと追いかけていきたいと思っています。

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劇場版は凪が主役

『ブルーロック』のアニメ2期の前に劇場版が上映されます。とはいえ、本編ではなく劇場版となったのはスピンオフ『ブルーロック ーEPISODE 凪ー』。この作品は、ブルーロックでの一次選考で潔と対戦し激闘を繰り広げたチームVの凪誠士郎(なぎ せいしろう)が主人公となっています。別冊少年マガジンにて2022年より連載開始されており、2024年4月に上映されるんです。

こちらは本予告映像。

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『ブルーロック』には何人もの魅力的なキャラクターがいますが、その中でも凪は結構異色というか、グイグイいくタイプが多いブルーロックの中にいて、「めんどくさい」が口癖のぼんやりタイプ。サッカーを始めて半年で絵心によって選抜されたFW300名に入り、その中でもトップレベルの得点力を見せつけます。いわゆる「天才ってこうだよね!」っていうイメージが形になった感じ。

天賦の才を持ちながら、その自覚も欲も無かった凪が、潔に触発されて目覚めていく様子は見応えがありました。大好きなキャラクターです。

原作の『ブルーロック ーEPISODE 凪ー』は1話目しかまだ読んではいませんが、劇場版は絶対見に行こうと思っています。

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【2024年5月15日追記】

『劇場版ブルーロック ーEPISODE 凪ー』を観て、やっぱり語らずにはいられませんでした。ということで興味を持っていただいた方はこちらからどうぞ。

isanamaru.hatenablog.com