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『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』について語りたい【1】出会い

皆さんは『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』というゲームをプレイしたことはありますか? このゲームは『ファイアーエムブレム 風花雪月』(以下『風花雪月』本編)の「もうひとつの物語」と銘打つ無双ゲーム。『風花雪月』本編と同様に大聖堂に併設された士官学校に一度は学友として集った生徒たちが、それぞれの信念のもとに国の未来をかけて戦場でぶつかり合うことになります。

本作は無双ということで、敵を薙ぎ倒していくキャラクターたちの強さを堪能することができるというゲームになっています。剣、槍、斧、弓そして魔法で、派手なエフェクトと共に大勢の敵を倒す快感! クセになります。

『風花雪月』本編での仲間との会話や壮大なストーリーは『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』でも引き継がれており、仲間たちが交流を深めていく様子やそれぞれの国の思惑の違いなどを楽しみながら黄燎の章→青燐の章→赤焔の章と3周プレイし、今は青燐の章のプレイを再度始めているところです。

ということで、攻略法とか関係なく自分がハマっている推しゲー『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』について、好き勝手に語りたいと思います。

ファイアーエムブレム無双 風花雪月スタート画面

 

まずはちょっと『風花雪月』本編のお話

「ファイアーエムブレム」は、任天堂から1990年にファミコンソフトとして出された『暗黒竜と光の剣』に始まるロールプレイングシミュレーションゲームのシリーズ。2019年に『風花雪月』本編が発売されました。

この『風花雪月』本編は、セイロス教を信仰する人々の住むフォドラの地が舞台。凄腕の傭兵である主人公は士官学校の教師となり、アトラステア帝国のエーデルガルトを級長とする黒鷲の学級、ファーガス神聖王国のディミトリを級長とする青獅子の学級、レスター諸侯同盟のクロードを級長とする金鹿の学級のうちから自分の担任する学級をひとつ選び、生徒たちを鍛えながら交流を深めていきます。しかし生徒たちの卒業を待たずに戦争が勃発。主人公は受け持った学級の生徒たちと共に戦っていくこととなります。

黒鷲の学級を選べば帝国が、青獅子の学級を選べば王国が、金鹿の学級を選べば同盟がフォドラの統一を成し遂げるまでの物語が繰り広げられていきます。主人公が受け持たなかった学級の生徒たちとも士官学校のパートで会話を交わし交流を深めているため、敵国の兵として戦場で再会し倒さねばならないことに胸をえぐられることに。それでも主人公は受け持った生徒たちの国をフォドラ統一達成に導く存在として、国の元首となった級長を支え寄り添い励ましながら戦い抜いていくんです。

私はこの『風花雪月』本編にすっかりハマってしまいまして、というのも、どの学級を選ぶかによって同じ戦争を戦いながらも全く違う物語が展開していくんですよ。このボリューム感、すごいです。しかもフォドラ3国の関係性や現在に至るまでの歴史、そしてその世界に生きる士官学校の生徒たちの人間関係などが非常に細かなところまで作り込まれているんです。本当に寝食削る勢いで夢中になってプレイしていました。

 

もう一つの『風花雪月』

私を夢中にさせている『風花雪月』を冠する無双ゲーム『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』(以下『風花雪月 無双』)が発売されるということが発表されたのは、2022年2月に配信されたニンテンドーダイレクト内でした。まさか『風花雪月』を冠した作品がまた出てくるとは思っておらず、しかも無双ゲームというのは私にとって全くの予想外で、とにかく衝撃を受けたのを覚えています。

この『風花雪月 無双』では、『風花雪月』本編を下敷きにした「もうひとつの物語」が展開されていきます。しかしそれはスピンオフというよりも、分岐した並行世界、パラレルワールドでの物語という方が近いと思います。

セイロス教を信じる人々の住むフォドラの地に存在する3つの国。主人公はそれらの国々の次期元首となるエーデルガルト、ディミトリ、クロードの3人に出会い、彼らの学ぶ士官学校で同じ時を過ごすことになります。しかし彼らの卒業を待たずに戦争が勃発。主人公はフォドラ3国のいずれかの一員として、否応なく戦いに巻き込まれていきます。

ここまでは『風花雪月』本編も『風花雪月 無双』も同じ流れなんです。しかしこの2つの『風花雪月』の間で違うのは、物語の根幹であるはずの「主人公」なんです。

『風花雪月』本編での主人公は「灰色の悪魔」という二つ名を持つ傭兵(男性名:ベレト 女性名:ベレス)。ベレト(ベレス)は、未来の元首たちを盗賊どもから救った功を認められて士官学校の「教師として」迎え入れられます。プレイヤーは教師の立場で生徒たちを育成し、導き、共に戦って行くことになります。

一方で『風花雪月 無双』の主人公は若い傭兵シェズ。『風花雪月』本編と同様に未来の元首たちを盗賊どもから救い、その功を認められ士官学校に招き入れられるのですが、まだ若く未熟だということで「生徒として」なんですよね。そのため、プレイヤーは主人公のシェズを通して未来の元首やその級友たちと同じ立場で戦場に立ち、共に成長しながら戦い抜いていくことになるんです。

この『風花雪月 無双』の世界でもベレト(ベレス)は存在しており、敵国に雇われた傭兵としてシェズの前に幾度となく立ちはだかります。

1st トレーラーはこんな感じ。


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この時点では、『ファイアーエムブレム 風花雪月』で無双ゲームが出るということしか分かっていなかったので、当然のように『風花雪月』本編の主人公であるベレスと戦っている紫の髪の青年が敵だろうと思っていました。しかし、なんです。

2nd トレーラーはこちら。


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ベレス、めちゃくちゃ怖いですよね。この2nd トレーラーでベレスが主人公ではなく敵であることがはっきりと示されました。そして新しい主人公であるシェズも、『風花雪月』本編のベレト(ベレス)がそうであったように、エーデルガルト、ディミトリ、クロードとそれぞれ深い信頼関係を結ぶのだということがわかる映像がありました。そのことに対して、反応は見事に真っ二つに割れていたんですよね。その時のことは以前このブログでも書いています。

isanamaru.hatenablog.com

 

そしてファイナルトレーラー。


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ファイナルトレーラーでは3学級の生徒たち以外の『風花雪月』本編に出てくるキャラクターたちも姿を見せ、『風花雪月』本編と同じフォドラ3国の戦いをなぞりながらも全く別の物語が展開するのだということが、よりはっきりと示されています。

フォドラ3国の未来の元首たちが運命に手繰り寄せられ出会うこととなる人物が、本来ならば凄腕の傭兵ベレト(ベレス)に敗れて「歴史の波間に消えるはずだった」まだ若くて未熟な傭兵シェズだったとしたら。『風花雪月』本編とは逆の「〜ではなかった」世界線での物語が繰り広げられていくわけです。

これって、なかなかすごいことですよね。この風花雪月の舞台となるフォドラの世界観は、主人公頼りではないしっかりと作り込まれたものだという自負の表れなんだと思います。

 

『風花雪月』本編との違いは他にも

もう一つの大きな違いとして、物語と戦闘の比重の違いがあります。『風花雪月』本編では主人公が他学級の生徒たちとも交流を深められるほどじっくりと士官学校で過ごす時間を取った後に戦争に突入していき、物語メインで戦闘は必須要素といった印象。

対して『風花雪月 無双』では主人公のシェズが士官学校で過ごす時間はごく短く、他学級の生徒たちとはほぼ交流の無い状態で戦争が始まり、戦闘の方がメインだということが感じられます。とはいえ物語がおざなりになっているのではなく、戦闘の間に挟まるキャラクターたちの会話からは3国の思惑の違いが垣間見えるなど、なかなか重厚な戦記物。『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』の方がフォドラの地で繰り広げられる戦争に身を置いているのだということを、より強く感じられるなと思っています。

 

『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』の任天堂の公式ホームページはこちらです。

www.gamecity.ne.jp

 

アクション苦手な私でも無双

私は反射神経を使うようなゲームは全然ダメで、格闘ゲームやシューティングゲームは完全にお手上げ。かろうじて面白がって遊んでいるスプラトゥーンでは塗り専でせっせと頑張っている感じです。とはいえアクション性のないRPGもちょっと性に合わない感じなんですよね。

「ファイアーエムブレム」シリーズは、ロールプレイングシミュレーションゲームということで、戦闘はマス目で区切られたマップ上で行われ、どのキャラクターをどこに動かしてどの敵を倒そうかとじっくりと作戦を考えることも可能。将棋やチェスに近い感じです。

しかしこの『風花雪月 無双』はタイトルからも分かる通り、多数の敵を薙ぎ倒して行くアクションゲーム。他のファイアーエムブレムのシリーズとは違い、戦闘ではボタンを連打したり2つ同時に押したりとわりとコントローラーを酷使する感じです。←この表現でどれだけアクションゲームに関してヘッポコか、わかっていただけるかと思います。

なので、最初は正直『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』を買おうかちょっと迷ったんですよね。敵を斬って斬って斬りまくるみたいなのはかっこいいとは思うけど思い切り苦手だし、反射神経が全然無いのですぐに返り討ちにされて全然ゲームが先に進まなさそうだし、無双の楽しさは私には味わえないんじゃないかと心配だったんです。

でも苦手意識はあるものの、やはり大好きな『風花雪月』の世界をまた違う形で楽しめるということは非常に魅力的でワクワクが止まらず、予約をして発売日を待つことにしました。

で、実際にプレイしてみてどうだったか。不安なんて一気に吹き飛びました! 折に触れてチュートリアルが表示されもしますが、たとえそれをちゃんと読まなくても大丈夫。敵に向かって進んでいって、とりあえずXボタンとYボタンを連打していれば、いい感じにキャラクターが戦ってくれるんですよ。同じボタンしか押していなくても、動きが全然単調じゃないんです。すごい。

ホント、この何が何だか分かっていない状態で、ただボタンを押してるだけでも気持ち良く敵が倒していけるという感覚、実はとても大事だと思うんですよね。ゲームって難しいばかりでは全然面白く感じられないですし、続けてプレイしようなんて思えないですよね。プレイの難易度が選べるだけでなく、最初は少しずつ段階的に操作に慣れさせていき、まだ深く理解できていない段階でも敵を吹っ飛ばす快感を味わえる設定になっていることで、もっとたくさん敵を倒してやろう、もっとキャラを強くしてやろうという意欲が湧くように作られています。ゲームは成功体験の積み重ねですし。

実際に私も、アワアワしながらも大勢の敵を一気に倒せるのが楽しくて夢中でプレイをし、徐々にシステムを理解して「この技を繰り出すぞ」と意識して戦えるようになっていく過程自体もとても面白かったですし、強くなればなるほどに技が強力になってエフェクトも派手になり、自分の気に入ったキャラクターがますますカッコ良くなっていきますし、なぎ倒し吹っ飛ばすことのできる敵の人数もどんどん増えて、さらに楽しみは大きくなっていきました。無双ゲーム初体験だったわけですが、アクションゲームが苦手だということで尻込みする必要は全く無かったなと感じています。

 

どこの学級を選ぶ? どこの国にする?

『風花雪月 無双』のプレイを始めてすぐに主人公のシェズが士官学校に入学することとなります。どの学級を選ぶかということは、そのままどの国の側に立って戦うことになるのかということに直結しています。ではどこを選べばいいの?ってなりますよね。ということで、それぞれの学級の簡単な紹介を。

 

黒鷲の学級(アドラークラッセ)
アドラステア帝国出身者の集まる学級。級長のエーデルガルトは次期皇帝です。クラスメイトたちは皇帝に仕える家臣の子息や息女たち。魔法を得意とする子が多め。

 

青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)
王家に仕える騎士の国であるファーガス神聖王国出身者の集まる学級。級長のディミトリは王子。幼なじみや友人関係にある生徒が多いです。

 

金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)
レスター諸侯同盟の出身者たちの学級。級長のクロードは盟主であるリーガン公爵家の嫡子。平民出身者も多く、皆揃って個性が豊かな生徒たちの学級です。

 

出身国ごとに分かれている3つの学級。このゲームの舞台であるフォドラの地で互いに勢力を分かち合っていた3国の均衡が崩れ、生徒たちは三つ巴で戦うことになっていきます。

しかしシェズから見ると、帝国のエーデルガルトは気高そうなのに自分を見下さないし、王国のディミトリは度々気遣ってくれて優しいし、同盟のクロードは気さくで変に貴族っぽくないしと、みんな揃っていい奴に見えるんですよね。シェズが入らなかった学級の生徒とは、敵同士となる運命が待っています。悪い印象は全く無いし、3人とも敵にはしたくないとはいえ、属することができるのは1つの学級だけ。なかなか難しい選択です。

入る学級を選んだら、いよいよ物語がスタートします。しかしこれだけではこのゲームの魅力を全く語り足りていません。次回も引き続き『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』について語りたいと思います。

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